NAVIの連載の最初の方を読んでみたいと思い、シリーズの1巻目である本書を買ってみました。
私自身も同じクルマを20年乗り続けているのですが、ちょうどその愛車を購入したのと同じ頃に、ここに掲載されたオーナーさんたちも作者の金子氏の取材を受けたのでしょう。
本が出てから18年経っていますから、ここに取り上げられたクルマたちのほとんどは、2010年現在、もう存在していないだろうし、取材を受けたオーナーの中には、高齢で運転を引退したり、亡くなった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ここには確かに人とクルマとの(それも庶民の)歴史が刻まれています。残念なことに、文中で紹介されているクルマは、ほとんど写真に写っていません。掲載されている写真には主にオーナーさんが大きく写っており、クルマはその背景になって一部分しか見ることができません。クルマが全然写っていなくて、オーナーさんだけの写真しか載っていないページもあります。これは同じ長く乗られたクルマをオーナーとともに紹介する「ノスタルジックヒーロー」などの誌面とは、正反対の捉え方です。クルマではなく、オーナーが前面に出ているというのが、本書の特徴です。ここで紹介されている主役はクルマではなく、それを使ってきた人間であり、その人の生活の歴史を作ってきたものの一つが、長くつきあってきた愛車なのだということです。
まあ、しかし私個人としては、どんなにオンボロになっていたとしても、文中で語られていたそのクルマそのものを もっとよく見てみたかったですが。