本書は著者自身の言葉にある通り、ReadよりもSearchのイメージに近い本の読み方を紹介した内容です。
必要に迫られて文書を読む際には、人はしばしば似たり寄ったりのことをしていると思われますが、それを一般の読書の領域まで広げ、一つの方法論として提示してあります。
昔、受験の際に「次の文章を読んで、後の設問に答えなさい。」などという、国語系の科目の所謂「長文読解問題」に臨む際の心構えとして、「まず設問に目を通してから本文を読め」などという教えを耳にしたことがありますが、本書で提唱しているのもそういうことです。
違うのは読書では予め「設問」が用意されているわけではないので、本を読む前に自分なりにそれ(本書では「第2のタイトル」とされていますが)をひとつ設定した上で、「解答」を探しながら10分で読み切るように、というわけですね。
10分というのはそういう意味で一つの目安であり、5分であろうと30分であろうと、その人の持ち時間や集中力の持続力などによって伸縮可能だと思います。
評者は集中力がいまひとつで、「つい道草」の癖が身に深く染み付いてしまっている所為か10分では少々きつい気がしました。(自分に甘いだけ?)
10分で読み切るので物足りないようであれば、もうひとつ別の「設問」を設定しなおした上で改めて10分でという教示もなされていますが、読んでいる度に「設問」に関係のない単語やら文章が目に入って気安い人間としては、10分ではなくそのn倍掛かるということにもなりそうです。
それと関連するかもしれませんが、著者も指摘されている通り、小説を楽しみたいという場合や読書を手段ではなくそれ自体を目的としている場合などには本書の方法論は使えません。
その他、読んだ内容を忘れないようにするための工夫などにも触れられており参考になるかもしれませんが、著者の挙げている10冊の「古典的名著」が本当にその名に値するかということについては、大きな疑問を感じざるを得ませんでした。
ということで、全体的な評価としては★3つとさせて頂きました。