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31 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
経済成長という謎,
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レビュー対象商品: 10万年の世界経済史 上 (単行本)
本書は、著者自身やその他の研究者による研究に基づき、「1800年以降、イギリスなどごく一部の国々の所得は急激な上昇を見せた一方、その他の多くの国々では、それが見られなかったのはなぜか」という点について、代替的な諸理論では十分に説明がされないという傍証的な議論を中心として展開がなされる。その主張を簡単に要約するとすれば、「イギリスの産業革命期とそれに続く経済発展の重要な要因としては、富裕層がより多くの子供を残し、そうした社会層の思考様式や倫理が社会に拡散していったことがあるのではないか」という見方を示しているということになろう。派生して、著者は、主にIMFや世界銀行といった国際機関によって行われている途上国への援助の効果に対して疑問を投げかけている(原題は、「援助よさらば」であり、恐らく、アーネスト・ヘミングウェイの代表的著作の一つに引っ掛けているのだと思われるが、評者は、日本語訳のタイトルのほうが、より内容に合致していると思う)。経済成長の問題に関心を持つ学徒にとっては、刺激的で、精読に値するものと思われるが、恐らく、学界においては、一つの見方を示したというのが大方の理解と思われ、時間的に余裕がある読者は、ロバート・アレン教授による全面否定的な反論(Journal of Economic Literature誌2008年12月号)を合わせて読まれると良いであろう(なお、評者は、クラーク教授とアレン教授のどちらにも軍配を上げることは出来ない)。 昨今、まことしやかに、国家の「成長戦略」なるものが語られることが多くなったようであるが、「国家」が、その国家の経済成長のために何をなすべきなのか、あるいは、何をなさないべきなのか。そもそも、「経済成長」とはどのような理由で生じ、持続あるいは衰退するものなのかについて、人類はまだ確定的なことを言える段階に至っていないのではないかという思いを新たにした。なお、翻訳は、リサーチャー(日本語で言うところの経済学者)によるものではなく、プロの翻訳者になるものなので、大変読みやすいことを付言しておく。
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
タイトルは大げさ,
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レビュー対象商品: 10万年の世界経済史 上 (単行本)
ジャレド・ダイアモンドの一連の書と通ずるものがある。ただ、タイトルほど10万年の歴史を概観はしていない。 どちらかというと、イギリスで起こった産業革命を中心に 人々の所得や生産性は、どう変わったのか? もしくは、産業革命はなにをもたらしたのか?について、 微に入り細に入り、解明している。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
解決すべき問題は人間の本能の中にある,
By Krokodil Gena (茨城県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 10万年の世界経済史 上 (単行本)
現代社会の貧富の差の増大の原因が労働者の質の低さによるものであるというのは実際にそうした現場にいた者としても痛感せざるをえません。そういう発言は差別発言であるととらえられがちですが、この点を正直に認めずに相手側の自助努力などという理想に頼っているとすべて必ず水泡に帰します。また、幸福度は他人との比較・差別化の中で形成されるので、所得水準が向上しても幸福度は増大しないという生物学的な原則も極めて深く共感します。 結局、経済問題とは政策や技術の問題などではなく、人間本能の問題であるということを、よ〜く再認識する必要があるということです。
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