まず薄めの文庫本という携帯性と、一記事1ページで見開きに対訳と解説というレイアウトの良さは、通勤電車内で読むのに最適。他の類書(ジャパンタイムズ社説集やZ会の速読シリーズ)は、版がやや大きめであったり、紙質が不必要に厚めで重かったり、注が別のページにまたがって見にくかったりで、これまで何故か適当なものが無かった。本の体裁という面では本書が現在のところベストであろう。
しかし、コンテント(内容)に問題がある。
まず用いられている記事が、APやロイターなど通信社系の速報記事のしかも冒頭リードの部分だけという極めて特殊な文体の英文である。ごくごく短縮化された文体で、分詞構文や同格挿入句の多用に、不定詞で未来、過去分詞単独で受け身を表したりする特殊なもの。ニュース速報でテレビのテロップやビルの電光掲示板に流されるあの文体である。まあ、時事英語の基礎知識として部分的にこういう文体を読ませることは必要かも知れぬが、本書のようにそればっかり続けて読まされても、普通の英文読解力は付かない。
記事の下の語注を次のページに移して、1頁まるまる記事にしてもう少し長めの記事を載せたほうが効果的だと思う。しかし、そうすると、1分では読めないから「1日5分!英字新聞」になってしまうが、通勤時5分位は集中できるはず。マジで、その方式をお願いしたい。
あと、所々、注の付け方にズサンな箇所が見られるのが残念。例えば、p.18 base on, p.32 allow + to..., p.108 in a manner, p.120 turn in, p.142 deadly, p.178 fails to, p.186 contractor の注の付け方には疑問を感じざるを得ない。