この作品の原作初版が刊行されたのは、既に20年近く前、私が小学生の頃の話です。脊髄小脳変性症という難病を患い25歳で夭折した著者の亜也さんは愛知県の方で、東海地区ローカルニュースなどで大きく取り上げられたので、岐阜県在住の私達の間でも大変な話題になり、私も読んで涙しました。その後全国でベストセラーとなり、彼女の死後も語りつづけられ、昨年待望の映画化が実現、現在各地で上映中と聞きます(残念ながらまだ映画を観に行けてませんが)。
亜也さんの文章は、初めから人に読んでもらう事を前提にしたものではなく、普通の言葉で、特に会話部分は三河地方の女の子の普通の話し言葉で綴られ、とても生き生きとして親しみやすく、自然に彼女の気持ちに同化していけます(東海地区に縁のない人には多少分り辛い言い回しもありますが)。本当はとても重く辛い内容で、実際亜也さんの病状が進行するにつれ文章は短くなり、ほとんど判読不能な文字をお母様が読み取ってまとめられたそうです。とても切ない作品なのに、なぜか後に残る清々しさ…それはきっと亜也さんの生き様そのものなのでしょう。
文庫化によって、より多くの人がこの作品を読むことになるであろうことは、とても素晴らしい事です。でも文庫版追記とか、解説とかはないので、既に本を持っている人はわざわざ買うまでもないか、と思いました。とまれ、未読の人はぜひ読んでください!