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このアルバムの構成は#01-#10の『C』と#11-#13の『0'』に分けられている。
『C』はカットアップを中心にした『1000 Fragments』を彷彿とさせる内容だが、素材の選択が更に洗練されたように思える。
『1000 Fragments』でもセンスの良さは感じられたが、今回は圧倒的なまでの完成度をみせている。
混沌とした印象を受ける凡百のコラージュに比べて、HI-FIな音質と相俟って、遥かに意図がわかりやすい。
『0'』は『+/-』の方向性を煮詰めたような内容だ。
ここでは池田亮司の展開の巧さがわかる。
ドローンやグリッチ、ノイズ等の素材をこれ以外はないと思うほどの整然さで組み合わせていく。
至極単純で意図的な裏づけのまったくない(?)ユーモアさを感じ取れれば、
このCDはたまらなく不思議で特別な位置づけをもつだろう。
たとえればLTJブケムというメガネおじさんが作った
ドラムンベースというジャンルの曲があるのだが、
このジャンルはリズムが早い曲やパートが大半であり
割とノリのいい爽快感溢れる音楽でもある。5曲目の「cuts」はこのドラムンベースを
高速に仕立て上げたもの。つまりもともと早いテンポの
ジャンルである曲を、さらに高速化してしまったのだ。
結果なんともいえない奇妙な…ヘヴィ・ロックのような、
ただの雑音でもある変な曲がスピーカーから流れる。
ところどころ、スネアのリズムが現れるがそれもアッと
いうまに流れていき、1分かそこらで曲は終了する。
これを「良し」とするか「悪し」とするかで、
このCDの位置づけが決まってくる・・・
私はこのアルバムは傑作だと思う。
早すぎてよくわからない「高速ドラムンベース」は
「ドラムンベース」として捉えるのではなく
「デジタルノイズの一産物」「無意味だが笑える実験」と
捉えると、また違った楽しみ方も見えてくる。
この辺の音楽を聴く人たちにはもはや説明はいらないと思うのだが、
真剣に音楽を聴いていきたいという人たちに聴いて欲しい作品である。
カラオケにどっぷり浸かった人たちがコレを聴いてどう思うか?
彼らのユーモラスな表情を見てニヒルに笑えることもできる、
考えてやっていないのか、実は意図的確信なのかよくわからない
「斬新かつ画期的迷作」がここにある。
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