正直、映画としては楽しめない。危険運転致死傷罪の成立に奔走した女性がモデルの半ドキュメンタリーとしての映像といったところか。
映画としての起承転結なら他の方の指摘も多い様に、法案成立、命のメッセージ展の成功あたりで幕とするのが常套といえる。あえてそうしなかったであろう部分にこの映画の描きたい本音があるのではないだろうか。
(以下、ネタバレにつき注意)
誰でも自らが加害者になる可能性を理由に、加害者に対する慈悲を求める記者の田口トモロヲを一蹴する主演の田中好子。
その言葉に胸がすく。
概ね、法律や報道などと言った物は比較的(あくまでも比較だ)人権的配慮にたけた人々が作る物であり、そういう比較的善良と言える人々の、一時の気のゆるみや不注意によるケースを考慮しがちである。
(車を運転した事のある者なら誰しも一回は不運なタイミングでヒヤリとしたことがあるはずだ)
しかし、多くは彼女の言う通りほとんどが常軌を逸した行動を常習的にくり返している悪質犯なのだ。
世の中にはそういった明らかな反社会的人間が少なからず存在する。
残念ながら、その手の輩は法律を作る側の人間とは違い、自分に甘く自責の念など持ちようが無いのが事実だ。
(今回の加害者も言葉で追いつめられて失踪というのが笑える。遺書でも書いて自殺とかなら分かるが、おそらく知り合いのいない所で心機一転人生のやり直しと言った所だろう)
そんなミソもクソも一緒にした様な法律でうまく逃げ延びている人間を、許せようはずも無い事を明確にし映画は終わる。