写真自体はうまくないかもしれない。
でも、何を捕らえているか、何を表現しているか。
何を伝えたいのか。
それがカメラマンの仕事だと思う。
技術はあっても、ただのモノを写しただけの
つまんない写真がたくさんある。
上手いからって、今の時代
写真集なんかつくれないのだ。
何を見せるか、なのだ。
写真集として構成できる面白い写真があるかなのだ。
正直、すげえ技術をもつカメラマンの写真集での腕の見せ所って
大自然の中の厳しい条件での作品で生かされるんじゃないのかな。
それか、ファッションや広告の「お仕事」。
腕と感性は別だと思う。
腕は磨こうと思えばなんとか磨けるんだし。
わたしは、この作者の彼が感じて捕らえた
ひとつひとつの街…集合体…
結果的に「0円ハウス」という地図を夢中で描き出した感じが好きだ。
まるで、小学校の帰り道、独自の秘密ルートを開拓して
いくつもの不思議な地図をつくりだしたような
そんな気持ちにさせられる。
そう、トンネルをくぐったら別の次元があるような。
そういう遊び心がここにはある。
わたしはこの写真集をはじめから
単にホームレスの家の写真という狭い枠組みでは
見ていない。
なんて面白い「写真集」だろうって思っている。