いかにして一人でも多くリピーターを増やし、固定客すなわちお店のファンを作るか、これが「脱・安売り」のための王道である。そのためのノウハウを惜しみなく披露したのが本書である。読んでさっそく実践したくなる、実践的なノウハウ満載の本である。
商売というものは一般に、新規客よりも固定客が多い方が一定の売り上げを確保しやすくなるだけでなく、コスト面でも固定客を維持する方が新規客を獲得するよりも安くなる。その結果、経営も安定することになるわけである。
自分が伝えたいメッセージがあってこそ、お店のコンセプトにもなり、ストーリーも出来上がる。このメッセージを言語化して正しく伝えることができれば、その結果、お店にふさわしいお客様が集まってくるだけでなく、お客様がまたあらたなお客様を集める役目を知らず識らずのうちに果たしてくれるようになるわけだ。これはまさに好循環である。
このためのキーワードが、顧客のアタマのなかに作るべき「脳内SEO」である。「脳内SEO」というネーミング自体が秀抜だが、お店がお客様を選ぶという強い意志があってはじめて、お客様のアタマのなかにお店に関連するキーワードがフックとして形成されるのである。そしてそのお店が思い出されて好循環が回り始めるのだ。ただし、最低3ヶ月は我慢が必要だ。
本書は、著者自身が飲食店で実験を行った結果も披露しているように、基本的に飲食店向けの話を中心にしているので、話が非常にわかりやすい。飲食店を客として体験したことのない人はまずいないだろう。
自分でお店をやってる飲食業関係者はもちろん、そうでない読者も、自分自身のビジネスに引きつけて読めば、かならず得るものがたくさんあるはずだ。おすすめである。