題名通り「iPhone/iPad&Android」プログラミングの入門者用の解説本だが、Mac開発環境を持たない私は、第2章の「Androidの基礎を極める」を中心に読んだ。本章ではAndroidの中核となる次の4つの構成要素が、豊富なコード・サンプルと説明図を伴って丹念に説明される。
(1) Activity (2) Service (3) ContentProvider (4) Intent
平易な解説のお蔭で次の事が理解出来た。昔、主に通信分野で使われた状態遷移の概念、SQLに代表されるデータベース問い合わせ言語、オブジェクト指向言語の基本概念、Java、UNIX、XML等の知識、そしてVisual C++風の開発環境の使用体験(特にGUI構築経験及びevent driven型プログラミングの経験)等の背景があれば、「Intent」を除くとAndroidの概念的敷居はそれほど高くない。ほぼ、「Activity=View」であり、その背景にはmotif由来の「Widget」がある。また、「Service=UNIXのdaemonの概念+Javaのinterfaceの記述形式」であり、「ContentProvider」はデータベースサーバであり、その問い合わせにはSQLiteを用いる。各機能を連携させる「Intent」の概念は目新しかったが、有用だと思った。逆に言えば、これだけの概念・機能を纏めた高レベルOS(開発環境)が「Android」と知って感心した。組み込みソフトの開発にこれだけの高レベルOSが使えるとは便利になったと思う反面、プログラミングの初心者が組み込みソフトの開発に携わるには逆に敷居が高くなったと感じた。
「日経ソフトウェア」はこうした最新技術の判り易くて実践的紹介記事を載せる事で定評があるが、今回も改めてその編集方針を感じた。