アメリカのエリート教育の実情が良く分かる本です。
総中流(意識)社会であり、識字率に代表されるような教育においてレベルの高い日本では、エリート教育や帝王学というものは馴染まないですが、欧米においては、真のエリートを育成する『ボーディングスクール(全寮制の学校)』というものがあります。
ボーディングスクールにおける教育には、全体を一定レベルに押し上げるための『ボトムアップ方式』とは異なり、一部の子供たちだけを対象に、将来、社会の指導的立場に立てるよう特別な教育を施すことを目的とした『プルアップ方式』を採用しています。具体的には、規律、思考力、独創力、リーダーシップ、社会奉仕精神を育むことを目的とした、教育の仕組みを持っています。
<全寮制>
全寮制は、生徒の主体性、自立を促すとともに、優秀な人材をアメリカ全土のみならず、全世界から集めることを可能としている。また、教師も同じく、優秀な教師を集めるために職住近接を基本としている。それが、1日24時間の密着教育を可能にしている。
<規律>
規律を守らせるために、虚偽の弁解を一番重要な罪とし、正直に告白し、潔くそれを認めることを重要視している。また、レポート作成時の無断借用なども恥ずべきこととしており、高度な道徳性を持った人格教育に力を入れている。
<学習サポート>
学習の面においては、少人数制のレベルに応じた教育を実施している。優秀な生徒向けには上級者コースを設けておりm一方で、成績の良くない生徒には個人補習を行っている。
戦後、ボトムアップ教育により国力を築いてきた日本にとって、グローバル時代を生き残っていくためには、真のエリート教育は重要な課題である。ただ、日本的なボトムアップシステムを採用する教育現場においては、なかなかプルアップシステムは難しい。せめて日本を代表する私立においては、ぜひとも見習ってほしい内容だと思う。