日本にはなかなか伝えられない「三面記事的」な事象を100近く取り上げたコラムを集めた一冊。
2004年12月に太田出版から刊行された『
USAカニバケツ』を、2011年10月に文庫化したものです。
単行本のときにも一度手にしていますが、追記がされていると聞き、文庫化されたほうを再読してみました。
書かれている内容は興味深いものが多く、理想と反映の国というアメリカの一般的イメージを根底からひっくり返すような、愚かですさんだ人々の話題が満載です。しかし、いかんせん、2004年には最新の情報ばかりであったでしょうが、今となっては一昔前の話を読まされているという思いが募る内容です。
文庫化にあたっていくつかのコラム記事には確かにその後の情報が追記されていますが、その記述もごくごく簡単なものです。
ブリトニー・スピアーズがラスベガスのドライブ・スルー結婚式の顛末について触れたコラムでは、ブリトニーが「その後、自分のバック・ダンサーと結婚し、二人の子どもをもうけた後、離婚した」と補記しています。
メグ・ライアンと姉との不仲をとりあげた記事の後には、後にメグがラッセル・クロウと不倫して、デニス・クエイドと離婚したことを書き足しています。
そんな具合に、わざわざ補わずともおおかたの読者には了解済みの記述が多く感じられます。
町山智浩氏の著作は欠かさず手に取る私ですが、今回の文庫化にはあまり得るところがなく、残念な気がしました。著者は最近も卑近な話題をとりあげながらアメリカをあらゆる角度から解析する活動をますます精力的に続けています。そうした最新コラムは掲載媒体が多岐に渡っているため、なかなかまとまって読むことができずに残念に思っているところです。
今回のような旧作の文庫化に優先して、そうした最新記事をまとめた書籍の刊行を期待しています。