今回の再発で早速買い直しました。音が良くなったかと言えば、LP時代のもともとの音の分離も良くなかったですから(当時は全てアナログ録音で、全般的に日本のバンドの音はしょぼかったと思います)、あまり期待してはいけない感じですね。何でもデジタル録音で曇りの無い音を聞き慣れてしまた今の時代に聴けばなおさらそのギャップは明らかです。
が、それを差し引いても、やはり良い時代、良い音楽だと痛感しました。特にドラムのジョーのツーバスはセンスを感じます。今だったら、ちょっと早いパッセージでは、ドコドコドコと踏みっぱなしにするところでも、あえていくつかの音を抜いたり、ハイハットやリバーブの使用も効果的で、手数は必ずしも多くないものの、そのツーバスセンスの良さは今聴いても抜きん出ていると思います。ベースもどちらかというとモコモコ系の音で、エッジやアタックがはっきりしていないのですが、ドラムのセンスの良さを引き立てるドライブ感とバンドに一体感を持たせるドライブ感十分なサウンドで、非常に良いリズムを形成しています。この辺りは、今回の再発でちょっとわかりやすくなっているかなと思いました。
ギターは、弾き倒し系で、音もアンプがあえてチープな音がするトランジスター系を選び(確か当時のインタビューでそういっていた気がします)、ギターサウンド的に当時からすでに本流でないですし、プレーそのものの正確さや難易度という意味では、現在のレベルでは話題にならないかもしれません。ただ、弾き倒す際に出てくるロックのオーラやフレーズのかっこよさは、ポールギルバートなどの理論や教則的な角度では語れないかっこよさがあります。ぐちゃぐちゃと弾きまくっているだけでかっこいいギターというのは、それはそれでセンスが必要だと痛感します。
ボーカルのポールの歌い方や、歌詞、メロディラインは、なかなか個性的です。当時はラウドネスの次あたりに海外での成功を期待されていたこともありましたが、ちょっとこのまま海外で発売するには厳しいかな、と子供時代にすら思ったものです(笑)。ただ、これも、このメロディーだから売れたのだと思いますし、この歌い回し、このサビ、コーラス、あとポールの声やルックス全体からかもしだす「けんか上等」的なワルな感じが、44マグナムのイメージを象徴していたと思います。
この時代のジャパメタを押さえたい人には、このアルバムは外せないですし、個人的には44マグナムの最高傑作であり、ジャパメタの殿堂入りアルバムです。