TVドラマ「SPEC」の第4〜6話をノベライズ化したもの。「SPEC1」との比較の観点で論じると以下の様。ストーリー構成、登場人物の主要なセリフがドラマと同一なのは前作同様。その代わり、地の文が随分自由奔放になりドラマの雰囲気に近づいた。同じ作家がノベライズ化したとは思えない程。瀬文の心理描写などを大胆に挿入し、独特の「ブッ翔んだ」感じを出すように心掛けている印象を受けた。
それでも、やや物足りない。映像を完全に文章化する事は不可能だとしても、当麻や瀬文の表情や仕草、あるいは舞台となる部屋や野外の模様など、もっと書き込みが欲しい所。全体的にスカスカしていて、ドラマで味わう濃密な時間とは程遠い。ドラマを観た人間だけが本書を読むという前提で書かれている感じを受ける。尤もな前提だとも言えるが、それならもっと遊びを入れて、ドラマでも実施しているクイズを挿入するとか、「番組グッズ」という位置付けを明確にした方が良かったと思う。ただし、ドラマで聞き漏らした小刻みなギャグを活字で確認出来たのは収穫。