この手の書籍は様々なものがある。第二言語習得などの研究をはじめて学ぶ人には『外国語教育リサーチマニュアル』がよく推薦図書や大学の学部、大学院のゼミなどで使われている。
おそらく、この本は先に述べた本の代わりとして今後、使用されることが多くなると思われる。
かゆいところに手が届くくらい、丁寧に研究の方法、研究発表するための準備方法、論文を書くために何をしたらいいのかが、やさしくわかりやすい表現で書かれている。
著者は音読、シャドーイングの研究で有名で、その関係の著書は多くある。
今回、著者は自分がどのように研究をしてきたのか、そのノウハウを公開したものと思われる。
大学院修士1年生、これから大学院に入学を考えている方、研究発表会や学会で初めて自分の研究や実践発表を行ったり、論文などとして
投稿する場合の心得等が丁寧に書かれている。
☆を5つ与えているが、本当は4,5のつもりでつけた。できることならば、次のことがあれば、文句なく5つ星を与えられると思う。
1.本文に先行研究や文献を読む著者の手順が公開されているなら、できることならば、どのように読んだ文献をまとめるのか、著者が実際に読んだ本をまとめたものか、院生時代に書いた文献整理ノートを載せる。どのように論文を読み、まとめるといいのかわからない読者は多いかもしれない。お手本のようなものがあれば、はじめて研究をやってみようと考えている人、自分の教育実践を整理し、理論化する際に大変わかりやすいし、研究をやってみようというきっかけになりやすいと思う。
2.読んだ文献の整理として、著者はどのようなことを行ったか。例えば、文献整理ソフトの一つであるEndNoteをどのようにつかったか、カードにどのように整理したか、ロータス1−2−3やエクセル、桐、アクセス、ファイルメーカープロなどを使って文献整理をどのようにやるか等である。文献整理ソフトは高価である。今ある環境でどのような工夫ができるか、著者のアイディアが紹介されているだけでも初心者にとってはありがたい。
3.わかりやすく自分の考えを相手に文や口頭発表等で著者が実際に使ったテクニック。当たり前であるが、何をどのようにどのくらい発表するのか、初心者はわからない。概ねこの程度のものであるという例があると、学会や論文投稿のイメージがしやすく、学校現場等で実践している
教員の発表も増える可能性がある。