読み始めてすぐ感じるのは「ああ・・・良い小説だな・・・」と言う事。きめ細かで丁寧な情景描写が続き「純小説」風の感触が心地良いですね。
前半は入寮や入学式から始まる一通りの顛末が、後半は、少しずつ明らかになる学園 や登場人物の「正体」が描かれていきます。主人公の泉水子は表紙の絵の通りのキャラクターで、常に神経を張り詰めた繊細過ぎる性格。「迷い」「逡巡」「躊 躇」「後悔」・・・そんな言葉のオンパレードのような心理描写が続いて・・・初めてこの作品に触れる人は ちょっと面食らうかも・・・。(汗)
そんな主人公ですが、脇役陣は逆の意味で大変個性的で、全体としてバランスがとれているところが凄い?(笑)萩原作品らしく、ちょっと突飛な人物や展開もありますが、随所に「古典」の要素が加味され、泉水子が少しずつ成長していく様子を描く展開は大変読み応えがあり、一気に読めます。
ストーリーとしては文字通りの「学園生活」のお話ですが、驚いたのは最後が「次巻へ」となっていたこと。たしかに、「姫神」にまつわる「壮大な物語」 を書き切るには「薄い」と感じた通りで、後数巻は必要と思います。
「陰陽師」や「山伏」「巫女」、「歌舞伎」「日舞」「審神者」「神楽舞い」「神降ろ し」・・・・1巻から続く神秘ネタもさらに深まりを見せ始めましたが、特に「舞」のもつ「力」に付いては荻原作品の独壇場になりそうかな?
結末では、様々な登場人物達が、泉水子の「変貌」を予感させる「言葉」を語ります。その身を守るため子供の頃から身につけた「殻」を破り、「確固たる意思」を持って「力を振るう」、「強大な泉水子」が登場するのか???
第一巻では「芽生え」が描かれましたが、今回は「序章」という雰囲気・・・ああ、「次巻」が待ち遠しいです・・・!