ばななさんと、4人の代替療法の第一人者との「健康とは何か」にまつわる対談で4章。
「『がんが骨に転移したあと、脳の髄膜の中いっぱいに広がった』という状況」で、
それでも心を強く“健康”に生き続けている「るなさん」の闘病記。
最後に、野口整体をベースに独自の整体法を提唱する片山洋次郎さんのあとがき、という構成の本。
代替療法の4人は以下の通り。
瞑想を軸に毎日の暮らしの中でできるセラピーを指導する、TaoZen代表の大内雅弘さん。
さまざまな不調の原因をその人の大元にある1つのエネルギーにあると見なして対処法を考える、
クラシカルホメオパスの勢籏(せはた)孝代さん。
「気」にまつわる著書の多いセラピスト、安田隆さん。
体の各パーツを重力と調和できる位置に収めることで不調を改善するという、
ロルフィングを行うロルファーの田畑浩良さん(ばななさんの旦那様でもありますね)。
印象的なのは、大内さんをはじめとする対談のあちこちで、
「健康とは、不調が皆無で筋肉ムキムキの状態ではなく、
不調(とその可能性)を内包する体でも、
毎日満ち足りて過ごせるという自信を持っている状態である」
という趣旨の発言がされていることだ。
「るなさん」も、肉体の機能が相当に制限された状態で
日々を過ごさざるを得ない状況を強いられているのだが、
闘病記を読む限り、決して「不健康」「健康でない」という印象は受けない。
これは、精神状態がよいというだけの話ではなく、
体というものは常に揺らぎ、波を持つものであるという前提のもと、
プラスとマイナスの狭間をたゆたうだけの余裕が大事であるという主張のように思える。
そして、その余裕は、自分自身の体をきちんと把握し、
たとえマイナスに振れてもプラスへと戻すことができるという
自分の体への信頼から生まれるものなのだろう。
だからこそ、ばななさんも対談者も、さまざまな手法を通じて
自身の体を把握することに試行錯誤している
(あるいは、してきた結果を生業として他の人に提供している)
ように見受けられる。
私自身、体調を崩しやすく、
「絶対にお腹が痛くならなかったり、気持ち悪くならない保証のある体だったら、
もっと安心して過ごせるのになー。一体何が足りないのだろう」
などと思いながら手に取ったので、
本書の中で示されるタイトルへの回答に、はっとさせられることになった。
唯一無二の完璧な境地を目指すより、
自分の体をきちんと理解することこそが、
何より大切だということに。