作者はまじめに新体操を取材しているようですし、後半の話の重さと主人公の決意がスポ根になるのか?みたいな
緊張も感じさせますが、まあ本気のスポ根ものにはならないでしょう。
ただスポ根モノ傾向になるのも良いかも、とも思えたりするのです。
ラブコメの主人公はやたら凡人が多いです。しかもほとんど努力せず「優しい」をメインに女の子にモテる。
自己投影するには都合が良いですが、そんなので良いのか?と言いたくなるような主人公も多く、読後もずっと好感
が持てる主人公は冷静に考えると実はそんなに多くなかったりします。
ちゃんと努力して何らかの成果を出す。あるいは努力している姿勢を持ち続けて、その気構えや覚悟を格好良い
と思わせる。で、間近で見ているヒロインが惚れる。
その方が納得もできますし自己投影するにしても好感が持てると思うのです。
主人公の蘭丸君はいわゆる「男の娘」ですが、見た目はともかく所々でさすが「男の子」と見直すような行動を取ります。
もちろん男としての生理関係では羨ましい展開になりますが、それとは別にその考え方、無理をしているわけではなくて
自然とそういう思考になるところは好感度アップです。女の子にしか見えない蘭が蘭丸に見える瞬間。これ、もしかして
話中のヒロイン視点を体感させているのと同じでは?なかなかうまいテクニックです。
その男として共感できる部分が今までの「男の娘」モノとは傾向も強さも違うように思えます。
心理的視点で、女の子にしか見えなかったのにふと男の子に見える、このギャップが良いですね。
これを生かさないでいるのはもったいない。この路線で行って欲しいものです。例えスポ根になってしまおうとも。
このまま行けば、実は男である主人公が新体操で活躍して注目されてしまう。これはある意味痛快ですし、「男の娘」
であるというだけで完結してしまうより話も広がってずっとストーリー性があります。
そして実力をつけていく過程がたった一人の女の子の為だというなら、さすがは主人公、見た目はともかくさすが男の子。
個人的にはかなり燃えるシチュエーションですね。(萌えに燃えがあってもいいじゃないか)
正体がばれそうになる展開を望んでいる方もいるようですが、そんなありふれたフォーマットを早々に使用する必要
はないのではないかと思います。そもそも幼なじみ達や新体操部上級生といった主要メンバーにはとっくに知られて
いるわけですし、これから関わっていく同級生達にばれそうになるといった展開にするには、もっと同級生関連の
イベントを積み上げてからの方が効果的だと思いますね。
1巻、2巻で色々フラグらしきものも立っていますし、伏線も色々張っているのが分かりますので、このあたりの
風呂敷のたたみ方を見てみたいですね。続巻激しく希望!
といったまじめな話はさておき・・・、実に魅力的なお姉さんキャラである涼子がお気に入りなので、これがメインの
フラグになりそうな展開は望むところなのです。(笑)