フランス語の原本の方は持っていたのですが、レシピは参照できる程度の語学力しか持っていないため、日本語訳を首を長くして待っていました。何よりまず、師のパッサール氏の前書きが素晴らしい。扶実子氏に対するまなざしの愛情の深さや感受性がすごく感じられ、それはそのまま料理に対する姿勢そのままであることが伺えます。パッサール氏の料理本を持っていないので詳しくは分かりませんが、芙実子氏の料理はパッサール氏の料理のコピーではないはず。師の詩人や音楽家のような感受性と哲学に共鳴した、日本人女性によるフランス料理・・・。奇跡のような出会いが生んだ、奇跡のような料理の数々。食欲から解き放たれた、音楽のような料理というものが可能であるということ。真のグルメというものがどういうものであるかを教えられたように思いました。素晴らしいです。