先に断っておきますが、短編としての質はどれも高めです。
その意味ではコストパフォーマンスに優れて……いると言い切るには、ちょっとお高めなのですが。
このページ数の文庫としてはやや高いものの、新書や雑誌の類と思えば許容範囲でしょう。
でもって、内容もまさに「雑誌」です。広告がないかわり、ページ数も薄めですけど。
収録されている6本の短編、モンスターというテーマ以外は、作風どころか世界観すら全てばらばら。
かつての「ソードワールド短編集」に似ていますが、あれより更に統一感がありません。
おそらくは意図的なのでしょうけど、小説としてのジャンルも散らされています。
このため苦手な作品が複数存在した場合、やや損した気持ちになるかもしれません。
ただし繰り返しますが、各短編の質は高めです。
興味のある執筆者が二人以上いるなら、手を出してみても良いのでは。
いずれの作者も、悪い意味での灰汁は抑え気味に、各自の魅力を発揮してくれていますから。
本体も軽く、一編当たりの分量が短めなので、ちょっとした時間潰しのため携帯するには最適。