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D列車でいこう (徳間文庫)
 
 

D列車でいこう (徳間文庫) [文庫]

阿川 大樹
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

リタイヤを前にした男女が、知識と経験と技術を生かし、再度夢とロマンに人生をかける。元気が出るロマンチック・ビジネス小説!

内容(「BOOK」データベースより)

廃線が決定したローカル鉄道を救いたいと、退職した上に会社を創ってまで田舎町にやって来た三人組―才色兼備でMBA取得の女性ミュージシャン、良心的な融資を誇りにしてきた元銀行支店長、そして鉄道オタクのリタイア官僚。最初は戸惑っていた町民たちも、次々繰り出される彼らの奇抜な計画に、気づけばすっかり乗せられて。なぜか再建を渋る町長の重い腰は、果たして上がるのか。

登録情報

  • 文庫: 445ページ
  • 出版社: 徳間書店 (2010/7/2)
  • ISBN-10: 4198931836
  • ISBN-13: 978-4198931834
  • 発売日: 2010/7/2
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.4 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 団塊の世代の衝撃力, 2007/7/4
レビュー対象商品: D列車でいこう (単行本)
「A列車で行こう」なら、ご存じデューク・エリントン楽団のテーマ曲でもある、ジャズのスタンダードナンバーである。あの軽快な曲が頭の中に聞こえてきて、何となく、この話も軽快に走ってくれるのではないか、と思わせて思わず手が出た。このD列車は、ドリーム・トレインの意味である。
 物語の舞台になるのは、赤字が嵩んで、とうとう廃線が決まった第三セクターのローカル線。生き残るために長年にわたって合理化努力を払ってきていた。そのお陰で、このローカル線、経営効率という点からみれば、日本一かもしれない。そういう優れた鉄道が、年にたかだか数千万円の赤字のために消えようとしている。
 この状況に、町工場相手に良心的な融資を実践し、生きたお金の使い方ならよく知っている大手銀行の支店長と、天下りを繰り返したお陰で、巨額の退職金を持っている鉄道マニアの元官僚が手を組み、それに、男社会の中で頑張って生きてきてMBAの資格まで持つ若い女が基本的なアイデアを提供し、全員キャリアを投げ捨てて押しかけ助っ人に乗り出す、という物語である。
 ローカル線を救うために三人が繰り出すアイデアは、確かに奇想天外ではあるけれど、決して実現不可能ではないと思わせる。普通、ローカル線を救うためには、何とか地元の需要を呼び起こそうとする。しかし、そうした努力は、地元に詳しい人々の手でこれまでも散々行われて、うまく行っていない。そこで、主人公達は、定年を迎えた団塊の世代にターゲットを絞る。彼等は、金と暇と行動力の三つを兼ね備えている、という、今までの日本に存在しなかった人種なのである。その団塊の世代を、外から呼びんで新たな需要を作り出すという方法で、ローカル線復活の奇手を次々と繰り出すところが、本書の読ませどころである。ちょっと品のない表紙で損をしているが、読んで絶対に楽しい物語である。
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ロマンチック・プロジェクト, 2007/6/11
By 
マークS (米国ニュージャージー) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: D列車でいこう (単行本)
「見捨てられた赤字ローカル鉄道を再建する」ことを、人生最大のロマンチックなプロジェクトと認識した三人の挑戦ストリーです。三人は、それぞれ有能なテクノクラート(仕事師)であり、目の前の組織を社会に有効なものとして引受け、その中で個人の能力を発揮すべく誠実に働きつづけてきた面々であり、組織は彼らの作業成果に一定の、正当に高くもないが、それほど低くもない評価を与えてきました。三人は、そのロマンチックな課題に正面から向かうため、それぞれ既成で既知の人生行路から、一歩外に外れます。会社員から、革命家やテロリストになる、或いは、アーティストになる、と言った衝撃度はないとしても。
 当のローカル鉄道社長は、彼らを煙たがります。その状況に対し、三人は実績を上げることに集中します。嘗て、組織の中で培ってきた経験、技量、知識、人脈をベースとして、インターネット社会の仕組みを最大限利用、さらに、自分達と一緒に仕事をしてくれる人々を結集させて、成果をつかんで行きます。
 このストーリーで、一番のポイントは、「赤字ローカル鉄道の再建」が、なぜ、彼らにとって、ロマンチックなプロジェクトとなったか、という理由でしょう。その個人の文脈は、十分な説明がされ共感するものがありましたが、読み終わって気が付いてみると、D列車でいこう、というのは、赤字鉄道会社組織・過疎地域社会コミュニティーの職人・仕事師の人生を全面肯定し、その仕事の腕前を信頼し、それだけを頼みとして、再建を成功させようと言うロマンチシズムを体現したプロジェクトであることが見えてきます。組織の論理と並立した職人の文化を活性化させる試みです。三人が当初、単に個人の文脈で始めたプロジェクトが、普遍性を持ちうるものに発展してきたという、ユートピアの体現をもって、三人の自己実現は達成される、というストーリーです。通勤電車に揺られながら、3日で読切りました。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 ビジネスマンにとっての「となりのトトロ」的ノスタルジー, 2009/5/7
レビュー対象商品: D列車でいこう (単行本)
「おやじの青春小説」みたいで、気持ち良く楽しめた。
会社の期待以上にサラリーマンとしての仕事をこなしながら、どこか本当の自分は違うところにあると感じている。そんなオヤジがふとしたことから田舎鉄道再生へのロマンチックな情熱を抱き、思いを現実のものにしていく。そしてそれを助けるのが、美人で頭の回る垢抜けた性格の、そしてそれなりにカゲもある女性。なんだかデキスギなストーリーだが、思わず応援しながら安心して読めた。「こういう心境、なんだか懐かしい」とノスタルジーを感じさせる点では「となりのトトロ」の大人版ともいえるか。

「思い」だけでは人は動かせない。具体的なアイデアがないと。ということで、様々な一見奇抜なアイデアが着実に実行され、大きなムーブメントになって行くのには引き込まれた。

早期退職後に運転士を目指す登場人物のセリフがいかしている。
「商社マンから、これまた大転身ですね」
「ちがいますよ。最初になりたかった職業が鉄道の運転士なんです。大学を出るときに志を商社に変えたんだから、商社マンになったことの方が大転身なんです」
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