戦時下の少女たちの物語。
描写はWW2時の沖縄戦を思わせますが、作中にはそれが明確になるような記述はありません。
人が殺し合うという重い話が、淡々としたタッチで勧められていきます。
描き込みが少なく、さらっと読めますが、それでも、何度か本を置いて深呼吸しました。
少女たちは、戦時下の教育を受けながら、今を生きる少女たちとあまり変わりはなく
それが「戦時下」と言う状況を強く印象付けているように思います。
看護活動をしながら重体の兵隊さんを横目に、鏡を手放さない少女。
重症患者の隣で、お絵かきを続ける少女や、時には笑顔でのおしゃべりも描かれます。
少女の無邪気な残酷さも描かれており、少女たちの姿は単純な被害者としては描かれていません。
生きたい、という願いが、残酷に描かれた物語です。