著者はこの本でAKBを題材に経済を語りたいようですが、その分析の対象となるAKBの知識があまりに乏しいため、その分析も甘くならざるを得ず、結局全体として読む価値がないものになっています。 最初の40ページだけでも、 「明らかに、秋葉原に集まってくる、あまりお金のない若い「アイドルおたく」に狙いを定めた価格戦略です。」(P19)
→どう考えても知名度がないからこの価格設定になったのに、それをお金がない人たちに狙いを定めたと言い切ってしまうところが残念です。公演開始時にどれほどの苦労があったのか全く知らないのでしょう。
「すべてインターネットでの応募・抽選による予約方式となったため、立ち見席はなくなりました。」(P19〜20)
→一度でも公演を見に行ったことがあればこんなことが書けるはずがありません。立ち見席は公演開始時からなくなったことはありません。
「現在はAKB48の人気沸騰に伴い、秋葉原のAKB48劇場の入場券も「プラチナ・チケット」化しており、運よく抽選に当たらないとゲットできない状況です。ネット上ではいい席にはかなりのプレミアムがつけられています。」(P20)
→劇場チケットは転売できません。禁止されているというレベルではなく、物理的に不可能なようになっています。また、席は入場直前にビンゴで決められるのでプレミアのつけようがありません。
「AKB48のファンの中核であるアイドルおたくの人たちは、基本的にお金持ちではありません。」(P39)
→完全に逆です。今でこそ、お金のない中高生が中核といえる状況が出来始めていますが、始めは金のあるオヤジのオタク達が散財して盛り上げていました。そして、今だってAKBがどのような戦略をとっているかはみなさんよくご存知ですよね?
とにかく読み始めて5分で完全に読む気を失わされ、さらに怒りのレビューを書きたくなるほどひどい本です。授業でこんな適当な話を聞かなければならない学生達も可愛そうです。オープンキャンパスでAKBの話をしてる俺すごいみたいな事も書いてありましたが、その「狐につままれたような顔」をしていた高校生のうち何割が心の中であきれ返って、この大学だけは受けるのはやめようと思ったのでしょうね。