さすが、スイス編だけあってなかなか充実した一冊でした。
最近、「歩き方」の情報の量と質に落胆することが多かったのですが、今回はかなり善戦です。
何より良かったところは、ライターの人が自分の足で取材して書いたことがよく分かる点です。
1)地に足の着いた記述
実際に現地を訪ねてみると、だいたい本書の記述通りで安心できました。
初めて訪れる土地でこれは助かります。久しぶりに「歩き方」を持って行ってよかったと感じました。
2)的確なトレッキング情報
特にトレッキングコースの情報は、コースの概要、風景、注意点など、具体的な説明が多く大変助かりました。巻末のトレッキング初心者への基礎講座も有用です。
3)分かりやすい地図
フライブルグを訪れた際に観光センターが閉店しており、旧市街巡りの地図を入手できませんでした。
そのため本書の地図をもとに市中を散策しましたが、問題なく歩くことができました。とかくおおざっぱな地図が多い歩き方ですが、今回は合格点です。
4)その他
小さなことですが、登山鉄道やローブウェイの料金、スイスパスの割引対象かどうかも記載されており役立ちました。
一方、交通機関など移動方法の情報は相変わらず貧弱な感を拭えませんでした。
1)乗り継ぎ便での入出国
通常、歩き方には乗り継ぎ便での入出国について記載があるのですが、なぜか本書にはありません。
特にシェンゲン協定国とは何かとか、その協定国、例えばドイツで乗り継ぎする場合は入出国の審査はドイツの入管で行うなど、最低限の説明はほしいと感じました。
2)ユングフラウ周辺の時刻表
Jungfrau 〜 Top of Europeというサイトには、ユングフラウ周辺の登山鉄道やケーブルカーなどの時刻表や運賃が網羅されており非常に有用です。
出発前に旅程を検討するうえで不可欠な情報と思います。冊子をダウンロードすることもでき、本書でももっと紹介すべきと思います。
3)各種パスの比較
スイス国内で使用する各種パスの比較では、結局どれを購入するのが得なのかわかりません。
私自身は、ユーレイルパスのグローバルサイトからユーロ建てで購入しました。ちょうどスイスフラン高が進んでおり、1万円近く安く購入できまたのですが、こうした情報も掲載してほしいと痛感します。
4)スイスの鉄道
スイスは鉄道王国で、運行管理はしっかりしており、また列車の接続もスムーズと言われます。
しかし実際に行ってみたら、やはり遅延などはありましたし、列車の接続はむしろ時間があまりに短すぎて、乗り換えもヒヤヒヤものです。こうした現実にも触れてほしいと感じます。
いずれにしても、総合的に見てかなり充実した一冊です。