著者のコフートに対する、尊敬の念が、とても良く伝わってくる本です。また、自己愛という、ややこしい概念をも、意外と易しく説き明かしてくれました。
私は今まで、例えば何のくったくもなしに、「自分の話しかしない」ような人間について、巨大な?を感じていました。
果ては「わざと?嫌がらせ?」くらいにまで考えてしまうくらい、理解できなかったのです。
それがやっと、理解できました。
つまり、そういう人は、自己愛の強い人。
さらに、自己愛に傷つきがある人。
自己愛云々というのは、乳幼児期の親との関係の中で、確立されてしまうらしく、そういう人は、大人になっても、満たされない自己愛を抱え、それを満たそうとしている、とのことです。
そして、健全に自己愛が満たされ、健全に情緒的発育が行われないと、平たく言って、「自分しか認識できない」ような大人になる・・・・。
あぁ!つまり彼等は、極端な話「自分のことしか、わからない」のね?
だから、唯一わかる自分のことしか話せないわけね?というようなことに、自然と理解を深めさせてくれる、これは優れた本です!
ただ、著者もコフートも天才&秀才ですので、意外と易しくとは言え、いかんせん、難解なところもあり、私の場合、読後、かなり疲労しました。
それから、コフートの人生というのも、大変、興味深く、ご自身が「自己愛人格障害」との認識を持っての、自己愛研究だったようです。
結局、優れた人物と、そうでない人物の明暗を分けるのは、このような「自己認識」の有る無しなのかな〜、と、妙に考えさせられるものがありました。
恐らく、前出の「自分の話しかしない」ようなタイプの人間というのは、自分を「自分の話しかしない人間」とは、考えもしないでしょうから・・。
理解に苦しむ部下を持つ、悩める管理職の方には、お奨めしたいです。