多くの点で批判を受けるこの作品だが、私は映画としては純粋に楽しむことができた。
批判される点については、以下のようなものがある。
・リアリティがない
・心理描写が少なく細かく登場人物を描いていない
・ただの殺し合い映画だ
正直な感想としては、原作のほうが素晴らしい。とはいっても、映画化して作品が劣化することは頻繁に起こることであり、この作品はまだ許容範囲の劣化におさまっている。原作では42人すべてを描ききっているのに対し、映画は大分削ってある。他にも心理描写やリアリティなど、多くの点で原作に軍配が上がるし、この作品を読んで「中学生が殺しあってるだけの厨二小説」と嘲る人は、想像力の欠片もない感性の乏しい人間だとしか言えない。
映画に関しては、確かに心理描写が少なく、殺し合いを飽きさせないように繰り返し描いているような印象を受けるのは確かだ。
しかしリアリティに関しては、あったらあったで余計にこの作品は叩かれるだろうし、設定に関してそう言うのであればファンタジーを全否定しなければいけない。この作品は間違いなくファンタジーだからだ。そしてもしこの映画を観てただの殺し合い映画だと思った人は、原作を読んでみることを勧める。原作を深く理解した上で、この映画を観れば、まったく違う観方をできるのは間違いない。肌に合わなかったとしても、この映画は別段グロくないので、少なくとも殺し合いだけの映画ではなくアクション映画としては楽しめるだろう。
それになんといっても、極限状態の少年少女たちが異常にカッコいいのだ。他のアクション映画や少年漫画に負けないくらい個性的で魅力的なキャラクターたちが縦横無尽に戦いを繰り広げる。それだけでも一見の価値は十分にある。極限状態の中で友達を、仲間を、そして愛した人を助けようと懸命に行動する彼らから熱いものを受け取ること間違いなしだ。
追伸:ヒロイン役の前田亜季もめちゃくちゃ可愛い(笑)