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序盤・中盤で会計に対するモノの見方・考え方をしっかり説明した後で、会計の具体的な説明に入るのである。
これは入門者に対する教え方としては、非常にまっとうな考え方なのであるが、それを実践できた本は本書が初めてではないだろうか。
また飽きさせないために、随所に小説のストーリーが組み込まれているのが素晴らしい。
頭を悩ますことなくスラスラと読めるので、本書の宣言どおり「最後まで読み終える本」になっている。
ぜひ一読をお勧めする。
で、いくつか本を読んだり、問題集を解いてみたりしたのだが、いまひとつ、わかったようで、わかった気がしなかった。
『決算書の読み方を知らずに簿記を勉強するのは、ビデオ録画を操作できないのにビデオの内部構造を勉強するようなもの』
と、本書ではいう。
確かに、本書のように『会計の世界の常識』や雰囲気を伝えてくれようとした本には、これまで出会ったことがなかった。なるほど、そういうことだったか。
一方で、あまりにも内容が平易で、40男が読む本としてはやや恥ずかしい、という気持ちもどこかにある。というか、はっきりいって、子供向け、という感じなのである。
が、待てよ、と。この内容なら、中学生どころか小学生にでも十分に理解できるはずだ。どうして、こんな大事な世の中の仕組みについて、義務教育で教えないのだろう、と変な疑問も湧いて来た。
確か大前研一氏が言っていたが、日本の義務教育では、社会に出て自活できるだけの最低限の知識、技能を教えていない。特に、お金について教えない、と。だから、無謀な借金をして破産したり、税金や年金について無知であったり、欧米に比べて企業家が少ない、個人株主が少ない、というようなことになっているのだと。
であれば、本書を小中学校の教科書として採用すればどうだろうか。そうすれば10年後20年後、企業家がぐんと増えるのは間違いない。もちろん、著者の山田真哉氏の「子供にでもわかる会計」を書く筆力があって初めて可能、といえる。
なかなかどうして、ただのサラリーマン向けのわかりやすい会計の本、にとどまらず、日本の将来を救う可能性を秘めた本である。
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