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<中東>の考え方 (講談社現代新書)
 
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<中東>の考え方 (講談社現代新書) [新書]

酒井 啓子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

パレスチナ問題、イランのゆくえ、イスラーム主義、インターネットなどメディアの影響……。「中東」と呼ばれる地域のニュースは、背景が複雑で理解しにくいと言われます。著者も、大学での授業や、一般向けの講演などを通して、その困難さを感じてきました。なんとか「手がかり」となる本ができないか……。本書は、これらのさまざまな問題を、国際政治と現代史の枠組みのなかで理解することを狙いとした新書です。

【著者紹介】
酒井啓子(さかい・けいこ)
1959年生まれ。東京大学教養学部教養学科(国際関係論)卒業後、アジア経済研究所に勤務。24年間の同研究所在任中に、英国ダーラム大学(中東イスラーム研究センター)で修士号取得。1986~89年、在イラク日本大使館に専門調査員として出向。2005年より、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専攻はイラク政治史、現代中東政治。おもな著書に『イラクとアメリカ』(岩波新書、アジア・太平洋賞大賞受賞)、『イラク 戦争と占領』『イラクは食べる』(ともに岩波新書)、「フセイン・イラク政権の支配構造」(岩波書店)など。


【目次】
第1章 石油の海に浮かぶ国々
大英帝国の遺産「湾岸首長国」/サウディアラビアの登場/石油の国々

第2章 パレスチナ問題とは何か
中東の人々のアイデンティティーを考える/パレスチナ問題をふりかえる/アメリカはパレスチナ問題にどのように関わってきたか

第3章 冷戦という時代があった
アメリカとソ連の時代/北辺防衛のための国々―トルコ、イラン/アフガニスタン侵攻/メリカの一極集中時代へ

第4章 イランとイスラーム主義―イスラームを掲げる人々
イランで実現した「イスラーム共和制」/「革命」政権の変質/「民主化が進むとイスラーム主義が強まる」のはなぜか?

第5章 メディアとアイデンティティー
アラビア語衛星放送「アルジャジーラ」の影響力/ネット空間/イスラーム銀行とスカーフ

内容(「BOOK」データベースより)

国際政治を理解するための新しい入門書。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/5/19)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062880539
  • ISBN-13: 978-4062880534
  • 発売日: 2010/5/19
  • 商品の寸法: 17.6 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By iccinc
形式:新書
TVでの的確な意見でおなじみの著者の好著。
確かに「中東」と一口に括るのは難しいので、著者はひどく謙遜をしているが改めて参考になる事項が多々ある。
例えば、ドバイの狂気のような土地開発ブームは9.11事件の後のオイルダラーの流れの変化が原因など。
冷戦時代の力関係の利用から、イスラム原理主義の台頭などの説明も参考になる。
「冷戦のゴミ」問題は果たして解決できるのか重い問題である。

「民主化が進むとイスラーム主義が強まる」のはなぜか?などはニュースの裏側を理解するためにも有益。
日本に適用すれば「政権交代が実現すると、なぜ・・・・・」に置き換えられる。

イスラム教下での女性の苦悩の具体例としてはアヤーン・ヒルシ・アリ「もう、服従しない」、シリン・エバディ「私は逃げない」などがある。
いっぽう、部族長に仁義を切ると、見ず知らずの旅人にも実に親切にする例をローリー・スチュワート「戦禍のアフガニスタンを犬を連れて歩く」などで読むと非常に理解の難しい世界であることが判る。

ボストンでのパーティで「日本と中国はどう違うの?」「スエーデンとノルウエーの違い程度よ」という会話を耳にしたことがあるが、この世界の理解はまことに難しい。

イランでの日イ大型石油化学計画が革命で暗礁に乗り上げた際に、「ホメイニなんてすぐ暗殺されて一件落着さ」と冷笑していた傲慢な日本側プロジェクト担当者や、「高速道路も作ってやったのに、どうして反米なのだ」といぶかっていた米国学生など、我々はいかに無知で無神経であることを痛感させられる書物である。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
英国ダーラム大学の中東イスラーム研究センターで学んだ酒井啓子さんの中東論、イスラム論、アラブ論である。
中東の評論家は何人かいらっしゃるが、僕は研究者としてはこの人の意見が一番腑に落ちる。

酒井さんは、何故「中東」とくくるのか、と問題提起する。中東は欧米が決めた概念だ。
だから日韓はくくられるとしたら「極東」である。
酒井さんは「中東」の問題をイスラムというメガネを通して見ると誤りに陥るという。
中東の問題の多くは、イスラムであってもなくても、どの国にでもある原因で起こっているという。
例えば貧困、サウジアラビアを始めとする産油国は、王族を頂点に最下層の外国人労働者まで
甚だしい格差がある。しかし暴動等は起こらない。その理由は、国が豊かな石油資源で儲けたカネを労働者にばらまいているからだ。
こういう国家を「レンティア国家」と言い、このように不労所得で成り立つ経済を「レンティア経済」と呼ぶそうだ。
「レンティア経済」では民主化が遅れる傾向にある。バラマキにはダマされない民主国家を日本人は作れるのだろうか。

コンパクトなページ数で、基本的な中東をすべて概説している。
イスラムとは
パレスチナとは
アラブとは
首長国とは
サウジアラビアとは

ところ問題、ひとつ。「近東」とはどこでしょう。
インドや、パキスタンが「近東」でも「中東」でも「極東」でもないのは何故でしょう。

答は本書で。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By solaris1 トップ1000レビュアー
形式:新書|Amazonが確認した購入
 本日時点で8件のレビューが掲載されていますが、全部が参考になりました。現時点で、本書のレビューにおける「参考になった」率は100%で、全員が☆5つの、完璧な評価です。他の方のレビューの通りなので、わざわざ私がレビューを追加する必要は無いのですが、他の方が取り取りのご意見を記載されている全てが、読後同感でき、更に現時点で「参考になった」率が100%という書籍はちょっと珍しいのでは無いかと思い、単に「参考になった」と投票するだけではなく、「その通りでした」と文章で強調したくなってしまったのです。

 他の方も記載されていますが、中東でビジネスをしていたり、中東本を既に色々読んでおられる方にとっては「今更」のように思われても仕方が無い概説本でありながら、皆様5点満点。私も中東本は色々読んできて、遂にはアマゾンのおすすめに中東本があまり上がらなくなってきている状況にあり、本書は、久々に「おすすめ本」を最後(1000件)まで見ていったら出てきた本で、レビューの評価がいいので、「一応抑えておくか」程度で図書館で借りてきて読んだものです。しかも、今更入門書を買うのもなぁ、と要点をメモしつつ2回読み、それでも結局アマゾンで注文することにしてしまいました。

 何がそんなにいいのかというと、やはり著者の議題の提出の仕方と整理の仕方ではないでしょうか。整理の仕方とは、章立てであり、ちょっとした文章に見られる、「それは、こういうことです」という書き方にあるように思えます。もの凄く文章が上手いとか、他では得られない情報が書いてある分けではないのですが、なぜか頭に入りやすいのです。中東やイスラームの捉え方、というような書籍は他にもあるのですが、それらは著者独自の視点という印象が強く残る、「まあ、そういう意見もあるのね」という感想を抱くことが多いのですが、本書については、不思議と「著者」があまり前に出ることなく、本書も他著同様、著者の視点での「考え方」である筈なのに、いつの間にか「あたりまえ」「既知の事」のように受け入れてしまい、多分、私の中では、本書の「中東の考え方」が今後定着してしまいそうです。著者は冒頭で、「魔法の絨毯」という表現をされていますが、確かに著者の整理力は魔法と言えるレベルに達しているのかもしれない。つまり、本書は小著だけど、その背後にある膨大で複雑に入り組んだ情報を、ここまで整理した目的意識と意思と技量は大変なものがあるのだ、と今これを書いているうちに段々と思えるようになってきたのでした。

 著者が末尾で記載されている「うわあ、たいへんだ」(実は一番印象に残っているのはこのフレーズなんだけど)という問題意識、本書で結実していると思います。
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