著者が述べているように
具体的な経営戦略の立て方が書かれた本は
非常に珍しいと思います。
本書にはそれが書かれています。
やり方としては
カードに思いついたものを20ほど短文で書き出し、
重要なものを3つ選ぶというものです。
個人的には
その3つの選び方を教えてほしかったです。
結局は
戦略立案者の知識や経験から
選ぶということになっています。
また、著者は
現状や過去の分析(市場や競合、その他)は
無意味としていて、
既存のフレームワーク分析を切り捨てています
(それらの批判が本書の内容の半分を占めています)
が、
著者が実際に売上急落に対して選んだ解決策の
「重点的な戦略商品を選び出して、特化集中する。」
での2大戦略商品の記述には
市場や競合の分析が使われています。
見方によっては
使えないと批判されたプロダクトポートフォリオと
共通している視点も
感じられます。
著者はMBA取得者ですので
自然とそういった分析が頭の中でなされているのだと
思います。
他者の理論の批判に当てた分を
その辺の明示化に使ってもらえたら
より良かった様に思いました。
(なお、破壊的イノベーション理論の批判で、
著者が経営していた企業の高級システムキッチンの例を挙げていますが、
高級ブランド品と廉価普及品と比較して
イノベーション理論が使えないとの結論となっています。
破壊的イノベーション理論の場合、
廉価な製品に新しい革新的な技術が使われていないと意味をなしません。
価格と機能の比較であれば単純な棲み分け論です。
エルメスが安物を作らないのと同じ話となります。
他者の理論に対してはこのような誤解に基づく批判が多いようです。)