震災後、世界からも注目された「6枚の手書き壁新聞」
あの新聞はどのようにして生まれたのか。本書は、壁新聞を制作した新聞社とその記者たちによる震災後7日間のドキュメンタリーである。
個人的に面白かったのは、記者6人による震災後7日間の記録が収録された第3章。
被災者同士の助け合いなどの心温まる話がある一方で、強奪防止のために食料を新聞紙で包み「病院用の点滴」と偽って施設まで運ぶ市職員の話など、極限状態におかれた被災地の“現実”も描かれている。これらの記録が時系列に沿って業務日誌風に淡々と書かれており、これがさらに読者にリアリティーを感じさせる。
普段から物を見て、それを伝える文章を書くことに長けた者たちが、被災者の立場として残した記録である。今回の東日本大震災を考える上で重要な一冊となるだろう。