単に震災からの復興ということではなく、
20年間続いてきた日本低迷からの復興を訴える内容。
日本の抱える数々の問題、巷に蔓延るウソ(誤解)、
そして竹中氏による復興案を大局的な観点から展開される。
竹中氏の本は相変わらず論理的でとても分かり易い。
一気に読めてしまった。
本書では新聞等のマスコミの情報でも誤解されがちな誤った政策認識への指摘が鋭い。
たとえば、量的緩和といっても日銀が「預金」と「現金」を増やす2種類の緩和があり、
実際に日銀は2006年まで「預金」を増やす方しかやっておらず、
それだけで量的緩和の成果を評価するのは間違い。
竹中氏はこれを擬似的量的緩和だと指摘する。
このような曖昧なまま理解されていたことへの解説が絶妙で勉強になる。
また内容としても外交・社会保障・TPP・金融政策など
日本が抱える問題を網羅しており読み応えがあった。
終始民主党への批判が辛辣で、今までになく厳しい論調である。
ただ、興味深いのは政治低迷のターニングポイントを政権交代時でなく麻生内閣時と指摘するあたり、
本書が単なる民主党政権への批判でなく、
国民に自立を求めた成長戦略という一貫した想いから書かれていることが伝わってくる。
ここまで誰にでも分かり易くてキレのある批判を見ていると
著者は現野党以上にその役割を果たしているようだ。