ホリエモンの震災前後の体験記と、その後の日本の行く末について意見を述べたコラム本のような内容です。
要旨は主に3つ。
(1) SNSとスマートフォンで世界は劇的に変わり、双方向な情報収集や意見交換、合意形成ができるようになった(本書ではこれを皆の意見の「マッシュアップ」と言っています)
(2) 成熟社会となった日本には体制転換が必要。ベーシックインカムとして政府が付き10万円だけを保障する。解雇規制をなくす。公務員は軍事・警察だけを残した夜警国家とする。等の思い切った策で日本の凋落を防ぐべき。
(3) 被災地となった東北は、普通の復興ではなく、特別な産業振興の場(たとえば、宇宙開発用地)とし、そこで生まれた収益を原発の廃炉費用などに充てるべき。
読み手によって感じ方はそれぞれだと思いますが、私には3点とも、やや極論過ぎるように感じられました。
かつてのホリエモンであれば、突飛な内容でも、「なるほど」と思わせる論理が背景にあったのですが、この本ではそういった説得性が希薄で、単に「こうやればいいじゃん」と彼が考えていることをセンセーショナルに書き散らかしただけの感があります。
巻末の瀬戸内寂聴との対談も、本のテーマと殆ど関係なく、掲載した意図が不明です。
彼は頭の良い人だと思うし、上記のような突飛なアイデアも何かしらの考えがあってのことだと推測しますが、本書を読む限りでは、腑に落ちないトンデモ論ばかりが目立ってしまいます。(例えば、国民に毎月ベーシックインカムとして10万円支給すると年間約140兆円の財源が必要ですが、そんな巨額の資金をどこから調達するのか、明らかにしていません)
よって、彼の思い描く「震災後の日本の理想図」を知りたい人にはそれなりに薦められますが、惹かれる部分は少ないと思います。