さて本作。
全シリーズを見てきた私としては、自信を持ってオススメできる最高傑作だと思う。
クレイグは公開前からまぁいろいろと批判され、アンチサイトまでできたほどである。たしかに彼は従来のボンド像にははまらない。従来のボンド像とはなんだ?先代ブロスナンのことだろうか。確かに彼はボンド像にピッタリとはまり、アクションやスーツもスマート。興業的には大成功だった。しかし作品の質は低下していく一方であり、もはやボンド映画でもなんでもなかった。
この作品、最初の1シーンから従来のボンド映画とは一線を画している。最初から最後まで一瞬たりとも目が離せない。深いドラマもあり、アクションもCGに頼らない生身のものになっている。そして主演のクレイグ=ボンドは男から見てもカッコいい。タキシードを着れば意外なまでにスマートだ。敵のル・シッフル演じるマッツ・ミケルセンも素晴らしい。この二人はとにかく演技が素晴らしく、見るものを引き込む力がある。M役のジュディ・デンチもブロスナン時代はどうも好きになれなかったが、本作では名演技を見せ見るものを納得させる。
クレイグのボンド像は原作のイメージに近いものがある。それにプラスしてこの演技力、存在感、身体を張ったアクション・・・・最高のボンドだ。
食わず嫌いで批判されている方が時々いるが、製作陣も語っている通りこれは新シリーズの第一弾なのである。ボンドらしくないという方も多いが、ボンドらしいとはなんだ?本作を見る限りしっかりクレイグは演じきっているではないか。まさに原作通りのボンド像ではなかったか。毎度毎度お約束を守っているだけではシリーズは終わりを迎える。今までのコネリーやムーア、ブロスナンが創ってきた「壁」をいい意味で壊してくれた。最高の007映画である。
ちなみにラストの演出は感激物でした。音楽(主題歌)も全体的に素晴らしいです。
ボンドの過去に秘められた深いドラマに涙します。