題名から、デザイン画やイラストがふんだんに盛り込まれているものを想像していましたが、
381pという本の厚さと、二段組みのびっしりのテキストで、早速意表を突かれました。
龍馬伝の人物デザイン監修という役割に関わった筆者の作業状況や心の移り変わりが、
日記の形式で撮影終了の日まで綴られています。
11月13日現在で放送されていない分については、オブラートに包んで書かれているので、
最終回まで待たなくても、安心して読むことが出来ました。
NHKの組織の中に外様として参加した筆者が、
衣装や鬘の決め方などについて、既存の方法に対抗しなくてはならなかったり、
NHKの人事異動によって、それまでの積み上げをやり直さなくてはならなかったり、
さまざまな事例に対し、奔走して、消耗して、それでも高みを目指す姿に胸打たれました。
もちろん出演者とのやり取りや、衣装を布地などのディテールから決めていく様子なども
興味深く、読み応えのある内容になっています。
故郷長野での講演や、奥様のアドバイスを受ける様子など、
今まであまり表に出ていなかった筆者の私生活の部分も垣間見ることができて
私としては満足できる一冊でした。
大河ドラマの楽しい楽屋情報を求めた人にとっては、
ちょっと文章が難解で写真も少なかったかなと思い、星4つにさせていただきました。