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『水晶のピラミッド』・『アトポス』等で試みられた並列的にストーリーが進行し最後に帰結する小説手法はこの『龍臥亭事件』で完成をみたと思える。この後、島田氏は三浦和義事件のような実際にあった事件を取り上げていくが、その橋渡し的な作品が本作で、実際にあって横溝正史が「八つ墓村」で題材にしたことで有名な「三十人殺し」をその並列して起こる事件の根幹のファクターに配置している。
もうひとつ、この後の島田作品で重要な役割をはたす犬坊里美が登場する。御手洗が北欧に去った後の石岡君をハリー・ボッターのヒッポグリフさながらにあちこちへと連れていく(●^o^●)。それとともに本作は石岡君の成長が大きなテーマになっている。つまり、石岡君が事件を解決するのだ。御手洗は電報一通と激励の手紙一通の登場である。ここが面白い。
読んでいて島田氏が最も愛しているキャラクターは石岡君ではないのかな、と思った。里美のような素敵な少女と一緒に石岡君は本作で極めて頑張っている。そこが『君にもできるんだ、もう少しガンバレ。』と励ます御手洗は、普通な普通な読者の僕たちをも励ましている気がしてくる。
僕は本作が現時点の御手洗シリーズの最高傑作だと思う。島田作品の魅力が全てクロスする素晴らしさ。上下巻を併せて豪華装丁で再出版したのも頷けます。必読です。
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