秋山瑞人氏との共同企画である龍盤七朝シリーズの2作目。
つまるところシェアードワールド企画です。けれど、「龍盤七朝とは何ぞや?」とか「話を理解するのにどちらの作品も読まなくてはならないの?」といった不安は無用。
十二国記や田中芳樹作品が好きな方なら作者名を知らなくても十分楽しめるかと思います。
何故なら世界設定を知らずともとてつもなく面白いのですから!
本書『ケルベロス』の内容を一言で表すなら「壮大」。
想像を絶するスケールのデカさです。
何せ敵がデカい。近づいただけで死ぬ。動いただけで死ぬ。世にいることが何かの間違いとでも言うべき存在です。例に漏れず敵は世界のほとんどを掌中に入れてしまい――主人公達はそれぞれの信念から強大すぎる敵に立ち向かうのですが、当然主人公はただの人。王になる野心を燃やす若き武芸の達人・敵に滅ぼされた王族の末裔・空気を鳴らす鐘つきと、どれもこれも曲者ぞろいですが、さて果たして矮小な存在たる三人は念願叶えて敵を討ち倒すことが出来るのか――というところに本作の面白さはあります。古橋氏はSFの分野でも活躍してきたベテランということもあって、その文章力は確か。多少癖はありながらも、迫力に満ち溢れる文体と軽快で痛快なやり取りはけして飽きさせません。
唯一の欠点は作者が遅筆であるため、なかなか続きが出そうにないこと。続きが気になる!という方は秋山氏のDRAGONBUSTERも読んで続編を待ちましょう。