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本書は「ナーガルジュナの人生」「ナーガルジュナの思想」「ナーガルジュナの著作」という三部構成。
龍樹の人生というのは神秘的な伝説に包まれていて謎に包まれている。第一部では「龍樹菩薩伝」だけでなく、チベット系の伝記2種類についてもきちんと紹介している。
第二部の「思想」の部分ではまず龍樹の主な論争の相手として説一切有部に焦点を当て、その考え方を明確にした上で、龍樹の「中論」における空に対する考え方をまさに「縁起」の思想とし位置づけている。論敵が何であるか、論点が何であるかが非常に明快に示されているのが本書の特徴といえよう。
第三部では「中論」を中心に「大智度論」「十住毘婆沙論」などが紹介されている。
中村元先生の本は非常に口当たりがいいというか、よくこなれている。これは、非常によくわかっていると言うことと裏腹の関係にあるのではないかと思う。中観関係の本としては、角川ソフィア文庫の「仏教の思想3空の論理」(梶山雄一、上山春平)、立川武蔵「空の思想史」、それからレグルス文庫の「中論」に目を通したが、この中では一番すっきりしている感じがした。
それにしても龍樹という人は理屈っぽい人だ。少し辟易する。
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