失踪した父の行方を追い、ニューヨーク出身の若く美しい弁護士ユリアが、ビルマ(現ミャンマー)を訪れた時、茶店で近づいてきた初老の男性から聞いた盲目の少年ティンと足の不自由な少女ミミの物語は・・・。
視覚世界で見える事が、すべての真実なのでしょうか、そんなメッセージを強く感じました。
本書の登場人物の殆んどが家族や恋人との別れを経験した人々でした。にもかかわらず、"人生はそれでも贈り物なのじゃ、・・・"と語ったウ・マイの言葉が心に沁みます。
ビルマの高原地帯から沿岸部の気候も自然に文体から伝わってくるこの筆致の素晴らしさ、読後に感じたのは"慈愛の雨"。
訳者さんの素晴らしい仕事のおかげで、魂を洗われるようなカタルシスを私も感じました。
今後も日本においてJan-Philipp Sendkerの作品紹介が受け継がれる事を願ってます。