良い映画を観るとその原作を読みたくなるのが毎度の事なので、今読んでいる最中だ。脚本を書いたトニーギルロイは素晴らしい。キングの原作を粉々に細部にわたってパーツ化し、映画用に組み立て直し、なおかつ少しばかり変更を加えた。監督は映画化に先立ちキングに変更の了解を求めに行った。キングは「原作よりも良いね、」と評価したサマがDVDの監督解説版の方にある。映画化で変更した所は夫が古井戸に落ちて死ぬ場面だ。原作ではドロレスは限りなく黒に近く書かれているという事、映画の方は逆に限りなく白に近く描かれている。原作では「こんな父親は死んで当然だ、、」というキングの私見(?)が反映されているのだが、映画の方は万人が観るから、いくら主人公が虐待で苦しんでいたとしても虐待者を殺してしまったとなれば、観る人のドロレスへの共感が薄れてしまうからだ。インターネットを見ると特に女性から「男性であるキングがここまで女性の内面心理を描けるなんて信じられない。彼は極度のマザコンなのでは、」という書き込みがあったが、これは原作と映画を交互に見ると回答が見えてくる。原作の解説でキングの生い立ちが書かれているがこれは理解の助けになると思う。(キングの父親は二歳の時に蒸発、母親一人で苦労し、兄とキングを育て上げた事、常に働きに行く母の為にキングと兄が協力して生活をしていた事など、)そういうキングの生い立ちを知り、僕は「ドロレスに彼の母、セリーナに彼自身に置き換えてこの小説を書いたのでは、、」と思える。後半の日食の場面は画像が妙に人工的だが、場面に合っていて好きだ。