日本とドイツのスキンシップの差異かと思って羨ましく思ったのが、ステディな関係ではない異性の肩や腰を抱いたりする場面。林間学校におけるフォークダンスみたいな行事にかこつけなければ触れることなんて滅相もなかったのに。ヒロインの英語教師はボーイッシュな髪型で緑色の水着姿が眩しいというので、国籍を無視して豊かな腰つきが悩ましかった7年前のグラビアアイドルをイメージしながら読み進めた(挿絵なしの小説ならではの楽しみのひとつ)。高校生の「ぼく」と彼女との性的な描写で2度ほどフレーズが頭に入った途端生々しい肉感を彷彿とすることができた。洋の東西を問わず、思春期特有の普遍的な青春が瑞々しく活写されているのだ。極論すれば、「まいっちんぐマチコ先生」で抱いたあのときめきを新潮クレスト・ブックスで再体験できたと思う。