「がんばらない」で知られる鎌田さんと「100人の村」シリーズ翻訳者の池田さん。このお二人、実は都立西高校の同期生です。
ただし、高校時代は顔と名前を知っているくらいで、ほとんど無縁の存在でした。
高校時代を振り返ると、いかにもムサい鎌田さんに対し、スマートな池田さん。
そんな2人の人生が、60歳を目前にして、クロスします。
鎌田さんの出版を記念して対談することになり、40年ぶりに再会しました。
奇遇な再会に驚きながら、2人は〈いのち〉と〈平和〉を考える往復書簡を交わすことを決めました。約2年間の往復書簡をまとめたのが本書です。
私は、順調に進んだ2人の往復書簡が中断したあとの手紙に、特に感銘しました。
中断したのは、池田さんが「うつ」状態になってしまい、手紙を書けない日々が続いたからです。ある講演会で「池田さんはエリートですね」と言われたことが心の重荷になってしまったのです。
久しぶりにとどいた手紙を読んだ鎌田さんは、すかさず返信しました。
池田さんが早くにお父さんを亡くしたこと、しかもお父さんの死因が自殺だったことによって、経済的にも精神的にも苦労したこと。鎌田さんも生みの親に放り出されて、大学へ行くのに親を説得しなければいけないような生活環境だったこと。
自分たちは、絶対にエリートじゃない。
でも、そんな苦労は他の人には分からないから、誤解されることもある。
医者として、友人として、鎌田さんは
「心のかぜは無理をしないこと。がんばらないこと。
でも、休みすぎないことも大事なのです」
と励ましました。
いかにもムサい鎌田さんのはずが、なんだか格好いいじゃありませんか。
社会のために何か行動を起こすこと。
一方で、身近な人に心から寄り添うこと。
たいせつな2つ行動のみほんを目の前で見せてもらいました。