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黒田清 記者魂は死なず
 
 

黒田清 記者魂は死なず [単行本]

有須 和也
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

黒田軍団をひきいて庶民の側にたった社会部記者として闘い抜き、ナベツネ体制と真向からぶつかった魂のジャーナリスト黒田清。その誕生から死までの波乱にみちた軌跡を厖大な取材と証言によってたどる渾身にして唯一の伝記。

内容(「BOOK」データベースより)

「報道とは伝えることやない。訴えることや!」大阪読売の社会部長として「黒田軍団」をひきいた伝説のジャーナリスト・黒田清。最後まで全身で闘い続けたその波乱の生涯を半世紀にわたって書き綴られた日記と厖大な資料をもとに描く、初の伝記。

登録情報

  • 単行本: 356ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2005/12/16)
  • ISBN-10: 4309243614
  • ISBN-13: 978-4309243610
  • 発売日: 2005/12/16
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 現役の新聞記者に黒田清の話をすると、「彼の仕事は記者の一面

にすぎない」と評価する人が多い。新聞記者の王道は「事件記者」

であり、ネタ(=捜査員、検察官などネタ元)に食らいつき、それ

を大きく紙面で展開できる者が強い者というのが、かの世界のセオ

リーだ。

 黒田清はそれに真っ向から勝負を挑んだ社会部長だった。その方

法は「街ネタの発掘」。小さな題材をふくらませ、社会の大きな問

題を問う企画を連発し、それが「窓」「戦争」などとして結実し

た。一方、「武器輸出」「警官汚職」など調査報道によるスクープ

も数々放った。しかし、自分で考え、読者に届く言葉を紡ぐ黒田の

手法は、新聞を使って読者をリードしていきたい勢力によって潰さ

れる。独立して自分の路線を貫こうと「黒田ジャーナル」を興した

黒田は……

 本書は、黒田をよく知る編集者が、黒田の残した膨大な日記と関

係者の綿密な聞きとりを元にその全体像を描いた労作だ。黒田の

「人間」を描くことは成功しており、臨終の場面は圧巻である。

 組織と個人についての本としても優れる。大阪読売で黒田が潰さ

れた経緯は、「ナベツネvs黒田」の簡単な図式で語られがちだが、

組織内部の追従者や裏切者、そしてとばっちりを恐れる大多数のサ

イレント・マジョリティによって葬られたのだという「恐ろしさ」

をよく調べている。また、独立後の黒田とスタッフの齟齬、事業が

うまく運ばない焦りなど、大組織を出てから黒田がもがいた軌跡を

赤裸々に描いているのにも敬服する。著者が黒田に私淑しているの

は明らかなのに、よくここまで書いた。

 新聞は今、冒頭に挙げた記者たちの固定観念自体が、ネットでの

情報流通の発達で大きく揺るがされている。しかし、新聞を攻撃す

るネットユーザーも、ジャーナリズムをほとんど知らないし、その

必要性も考えた節はない。だから不毛な争いが続いている。黒田が

生きていたら、何というだろうか。
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形式:単行本
黒田清さん。晩年は筑紫哲也の番組などにもよく出ていたため、名前も顔も知ってはいた。でも、有名な新聞記者だったということ以外は、正直よく分からなかった。

今回この本を読んで、黒田さんの人となり、そしてどれだけ優れた(というのは、取材能力や執筆能力はもちろん「人間的にも」という意味も含め)記者だったか、ということを知ることができた。

いやはや、すごい人だ。ぼんやりと抱いていた、正義感に溢れ、強きを挫き弱きを助ける、熱血の「社会部記者」というイメージをそのまま体現したような人だ。そんな黒田さんの気質が、ナベツネとの確執にもつながったのだろうけど。「社内における立場よりも自分の信念を優先させた男」という、紋切り型な表現には収まらない、人としての深みをたたえた人だったのだとよく分かった。

それにしても、人物評伝でこんなに泣けるとは思わなかった。著書の筆力・取材力に感服です。ジャーナリズムの世界に身を置く人はもちろん、マスコミ志望者全般にとっての必読書と言えるでしょう。
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形式:単行本
 黒田清といえば、大阪読売新聞の社会部長として『戦争展』を開催したり、読者の投稿に寄り添うような名コラム『窓』で話題を呼んだ伝説のジャーナリストです。

 本書は、昭和6年に生まれ、平成12年に亡くなった黒田氏の日記を元に、彼の生涯をたどる伝記です。

 読売入社後、着々と取材力・文章力を認められるようになった黒田氏は、大阪読売新聞の社会部長として発行部数日本一への推進力となる充実した社会面を提供し続けました。強力な彼の部下たちは「黒田軍団」と呼ばれるようになります。

 しかし、大阪読売新聞の社長交代を機に社内環境が悪化。先代社長と違い、東京読売の意向に沿うことしか考えない“ヒラメ”社長のおかげで、黒田氏は社会部長から編集局幹部に「専任」させられました。黒田氏に近かった人物が次々と左遷させられ、黒田氏に残されたのは『窓』のコラムだけだったといいます。

 定年まで数年を残して読売新聞を退職した黒田氏は、「黒田ジャーナル」を発足し、「窓友会新聞」という自らのメディアを獲得しました。

 しかし、1部500円では商業ベースに乗せられません。彼を追って黒田ジャーナルに参加してくれた大谷昭宏氏と二人で、テレビや講演会への出演、月刊誌・週刊誌への原稿執筆で収入を得、「窓友会新聞」の赤字を埋めながら発行を続ける日々が続きました。忙しさのあまり、彼を慕って入社してくれた社員とゆっくり接する暇もないほどで、黒田事務所は人の入れ替わりが多くなります。

 暴飲暴食、タバコに徹マンと不健康な生活を重ねた黒田氏ですが、とうとう1997年にすい臓ガンが発見されました。手術して復帰しますが肝臓にガンが再発。死の直前まで原稿を書き続け、2000年7月帰らぬ人となりました。

 「報道とは伝えることやない。訴えることや!」

 いまや、本当に伝説になってしまった黒田清の叫び声が聞こえる一書でした。
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