今回こうしてポーの作品を読んでみて、先ず思うのは、こんなに「前置き」が長かったっけと言うことです。
作品によっては、半分くらいに渡っているものもあり、訳者は「落語調」だと「あとがき」で書いているが、明治の訳者でそこをすっぱり切り落として訳した訳者もいたとか。
解る気がします。
この本に集められている短編は、「ひねくれた精神」であり、自分を見つめる第三者と言った内容が多く、「黒猫」と内容的に繋がりの深い作品が多く集められています。
その意味では、ポーの中での「黒猫」の位置づけが理解できる短編集と言えるかも知れません。
「モルグ街の殺人」については、「探偵小説」の先駆けとして余りにも有名な作品なのですが、こうしてちゃんと原文の訳を読んだかどうか自信がありません。それくらい「子供向け」にリトールドされたりしており、どれが本物か解らなくなっています。
しかし、こうして読んでみると、確かにこの後登場する様々なミステリーの多くの要素がここにあるなと思います。
こうした新訳が出なければ、なかなか読む機会もなかったろうし、読みやすくて大いに楽しめました。