“書物と会話できる”能力を持つ少女・紙村綴。図書委員の彼女は返却日が過ぎているのに返ってきていない『嵐が丘・下』の行方を調査することに。そんな折、綴の身辺に“本の探偵”を名乗る謎めいた美青年、猫目コウが現れる。なぜか綴や綴の祖母を知る彼は『N断章』という書物の調査をしていた。その調査に綴の能力が必要だと告げる彼。戸惑う綴だが周辺で様々な事件・事故が起こる。それらは綴にも無関係でなく――
主人公がある日突然、非日常的な事態に巻き込まれるタイプの内容で、物語の構成が非常に練られている作品。『嵐が丘』と『N断章』、それぞれ別に調査しているもの何らかの関係はあるんだろうなとは思っていましたが、その交わり方が絶妙。物語のタイトルも最後まで読むことで、納得させられるものです。いつもどおりの生活から急に戦闘に巻き込まれるなどの変化もすごい。しかし設定を詰めすぎたかなという感じが。たとえば事情を全く知らない綴にコウが所属しているある組織やこれまでの戦いについての説明があるのですが、それが長め……順調に進んでいた物語の流れに急ブレーキがかかったようになります。それまでの展開が緊迫したものだっただけに。また魔術・魔道書と実在の作品の本についての描写が行き来する為、流し読みなどはオススメできません。一瞬戸惑いそうにということが……
本が大好きな少女、物語のストーリー・設定に似た真実、しかも『嵐が丘』ということで、読んでいてとあるライトノベルシリーズがよぎってしまいました。途中の魔術などの描写はまた別のライトノベルシリーズが……。読了後もその印象が拭えなかったので勝手ながら星3つとさせていただきました。