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黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて (文春文庫)
 
 

黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて (文春文庫) [文庫]

田草川 弘
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第28回(2006年) 講談社ノンフィクション賞受賞
第38回(2007年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

黒澤明監督による日米共同製作映画『トラ・トラ・トラ!』。1968年12月、撮影開始直後、なぜクロサワは解任されたのか。この日本映画界最大の謎に迫った、ノンフィクションの金字塔。本書は、大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞、大佛次郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞の史上初4冠受賞作。

登録情報

  • 文庫: 585ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/03)
  • ISBN-10: 4167773538
  • ISBN-13: 978-4167773533
  • 発売日: 2010/03
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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30 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kuronin
形式:単行本
とかく推測・憶測が紛れ込んだ黒澤明のハリウッド進出挫折の原因を、膨大な日米の資料の発掘と読み込みや関係者インタビューによって、客観的に浮かび上がらせようとした労作。約40年前の日米の映画製作のあり方・ビジネスの進め方、監督の位置付けの根本的な相違が、黒澤が描きたがっていた真珠湾の山本五十六同様の悲劇を生んでしまった事がよく解る。黒澤は映画に携わるあらゆる創作的な行為である脚本・監督・編集、さらにはキャラクターデザインや絵コンテ作成も自らの責任において全うする一方、ハリウッドにおける監督は編集前の素材をフィルムに収める現場監督に過ぎない。
それまでの出版物が心情的に黒澤擁護しがちなのに対し、時には黒澤や日本映画界の甘さを厳しく指摘している(もちろん、資金やスケジュール、さらには現場の苦労にも無頓着で、よい作品をつくることに全精力を傾けたがゆえに、黒澤は数々の名作を生み出したのは紛れもない事実であるが・・・)。またビジネス最優先という一面的な見方によって非難の対象とされていた、20世紀フォックス側の苦労や、黒澤に常に敬意を払っていたD・ザナックやエルム・ウィリアムスの映画人としての偉大さも、本書から十分に窺い知ることができる。今だからこそ俯瞰的に眺められる数々の事実であるが、当時は誤解とすれ違いだらけで、誰もが苦い想いをしつつも、破局に向かって突き進んでいった様子が痛いほど伝わってくる。筆者は客観的にかつ彼らに敬意を払う姿勢を保ちつつ、450Pにも及ぶ作品にまとめ上げた。間違いなく映画史上の資料的価値のある書籍であり、かつ読み応えのあるドキュメンタリーである。
このレビューは参考になりましたか?
21 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By さっちゃんちのさっちゃん VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
Amazonからの荷物を開けてパラパラ読み……のつもりが3時間ばかり読み耽ってしまった。

こういうタイトルの本では「黒澤明vs.ハリウッド」と「『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて」のどちらかが手薄になってしまい、結局看板に偽りアリという評をしたくなるものが多い。しかしこの本は前者、つまり黒澤とハリウッドの(結果的に)不幸な出会いについて「暴走機関車」の話題から続いた一連の出来事を説き起こし、巻末のアカデミー賞授賞式での出来事にまでつながる通底的なものとして確保した上で、後者、即ち「虎!虎!虎!」での黒澤解任騒動について、米国に保管されていた資料を発掘調査し、悲劇の舞台であった京都撮影所での一日一日をドキュメンタリーとして描き出している。その迫力は昨今流行の「メイキング・オブ・○○○」といった「特典映像」商品の比ではない。また、「なぜ黒澤は解任されたのか?」という謎に対する解答を得るのみにとどまらず、更に「診断書の謎」「契約書の謎」といった項目それぞれについて検証を試みており、「その謎のすべて」というタイトルそのままに読ませてくれる。

20世紀FOX側が「日本側シークエンスの外注先の演出担当」と黒澤を見ていたのに対し、黒澤は「『監督』であるオレが最初から最後まで面倒見るのが当り前」と思い込んでいた……といったすれ違いは多数あったろう。しかし、そこから更に一歩引いて概観すれば、黒澤が自身の病気(と言っていいと思う)に気付いたからこそ、それまでの「スリル満点のエンターテイメントに徹した作品群」からガラリと変わって「日本映画」然とした作品群が生まれたのかもしれないし、時代が下って「ハリウッドの次世代」たるルーカスやスピルバーグの知遇を得、「影武者」辺りから再度エンターテイメント路線のものも撮影していったのかな……などという感想すら抱いた。
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
傑作です。 2007/1/15
形式:単行本
キネマ旬報の黒澤明集成3が発売されてはや10数年が経ちましたが,この本の“トラ・トラ・トラ”についての情報量はその遥か上,究極の位置に達するのでは,と思います。白井氏のルポも面白かったのですが,この著者はプロデューサーのエルモ氏との直接インタビュー,LAでの資料集め,現存する現場で使われたシナリオ,と様々な歴史的実証物,人物を用いて書かれています。

完璧と言われた黒澤明監督の映画制作も、ほんの僅かの過程の見落とし,先見性の無さからどんどん落ちてゆく様は,読んでいて胸が痛くなるほどです。最後の章で,エルモ氏との会話の中、彼が未だにその当時の事を感情的に思っているところを読むと,映画製作というものの過酷さをしみじみと感じてしまいます。

ちなみに映画本編のDVDでは、日本映画研究やDVDTalk.comの日本映画レビューで知られるスチュワート・ギャルブレイス4世氏のコメンタリーとフレイシャー監督とのインタビューが楽しめます。同氏の書かれた"The Emperor and the Wolf"は、黒澤明研究本の傑作ですので,そちらもお勧めです。本書の文献資料としても使われています。The Emperor and the Wolf: The Lives and Films of Akira Kurosawa and Toshiro Mifune
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投稿日: 4か月前 投稿者: レブロン
黒澤版「虎虎虎」が見えてくる!
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投稿日: 2007/6/5 投稿者: 大池1丁目12
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