25年ほど前、著者は京都で日本庭園を訪れる観光客が減り、自然の木が植えてある寺に向かう観光客が増えていることに気づいた。人々は自然の中で気持ちよく過ごすことを求めていると察知した著者は、松や盆栽で埋まっていた旅館の庭に雑木を植え始めた。裏山を金づちと、のみで掘り進めた「洞窟風呂」や、裏山から切り出した石で組んだ「岩戸風呂」も作った。
自然を楽しむには、地域全体での雰囲気作りが必要。著者は旅館組合の執行部に入ってから、温泉地全体の改革を牽引する。雑木の植樹を進め、旅館や店の外壁を黒を基調としたものに変え、旅館の看板を撤去するなど、「日本のふるさと」を存分に味わえる景観作りを進めたのである。
こうした経験から、どんな商売も「顧客が何を求めているか」を目を凝らして探し、真心を込めて提供することが重要と指摘。企業経営にも生かせる「再生の法則」をまとめている。
(日経ビジネス 2005/03/21 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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寂れた田舎街からの再生の軌跡を詳細に描いている。
植樹ひとつを取り上げても、
どの樹木をどの場所にどのように植えるべきなのか、
その一つひとつに対するこだわりと理由を記している。
また、黒川温泉を東京ディズニーランドと比較するなど、
マーケティングに関する示唆にも富んでいる。
まちづくりに携わる人だけでなく、
全てのビジネスパーソンにお薦めしたい一冊である。
「僕らがやっちょることは、「和」の心を形にする作業だ」
という筆者の言葉が心に響く。
人々が意識下で求めているもの、本当に大切なものを
思い起こしてくれる一冊でもある。
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