総論:蒸気機関車が普通に走っていた時代の動画としては他を圧倒している。これと伍するのはNHK番組の空撮を含むC62重連番組くらい。他の2巻も持っているがなくならないうちに全巻そろえるべき。
画質:VHS5巻の「蒸気機関車時代」のときから見ているが、8ミリとは思えない良質のもの。国鉄職員でデザイナーである黒岩氏が一人で10年以上取りためた膨大なフィルムから選りすぐりのもので統一感があって見飽きない。いまのイベント列車のビデオの画質とは比べるべくもないが、迫力と構成力はそれをはるかに凌ぎ、イベント列車ものは足元にも及ばない。本には同氏の多くの細密画やデッサンが含まれているが、プロの画家であり、蒸気機関車のどの部分をどう撮ればいいか完全に分かっていると思える。
音:リアルな蒸気機関車の音はすべて後入れではないかと推測するが、わからない。初めのころは同時録音だとばかり思っていたが、この時代に黒岩氏が8ミリと同時にデンスケを持って取材していたとも思えないことからそう思った次第だが、まったく不自然でなく良質の番組となっている。
背景音楽:クラシック音楽が背景に流れる場面もある。大きなループを上ってくるプッシュプルの遠景とか駅や操車場風景とかそれなりにそのほうがいいと思わせる場面である。C62重連がジェット機のように迫り来て去っていくような場面は音楽はなく蒸気機関車のブラスト音・排気音等のみであり、全体の演出効果をよく考えて音楽を使っていると思う。ナレーションは全くない。
残念:VHSの蒸気機関車時代5巻の全てと新たに電気機関車や電車の動画が含まれているが、新たな動画には、画質・構成力・背景音楽とも平凡だと思えるものもある。ただで付いていると思えば腹も立たない。しかし「なかったほうがよかった」というものもある。