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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
真実はわからないのかもしれないけれど~,
By さとなが (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 黒の貴婦人 (幻冬舎文庫) (文庫)
色々と呼び名はありますが、私の中では「タカチ・タックシリーズ」(笑)の短編集。この作家の作品の傾向のひとつとして、ある事件の謎を第三者に近い人々がまるで「妄想」を描くかのように推理していく話がある。私の好きな「完全無欠の名探偵」もそのひとつだが、本作品もその定石通り。別に作中の人物はホントウにそうなのか確認はしてくれない。疑念は広がるばかりで閉じないのだが、それも何故か楽しいのである。 そして、このシリーズのファンとしては、タカチとタックの関係について言及されていることが少なからずあることが「二度美味しくて」たまらない。ちょっとだけ、ボアン先輩とウサコも気になるが(笑) そんな方面から見てみると、個人的にオススメなのは、表題作。タカチの告白シーン(?!)にうなづいてしまったりする。ウサコによる一人称が更にそれを強く肯定させる効果があるようである。 そして、なんか、たまに思うのだ、西澤保彦というヒトは女性なのではないかと。男性に対する目が非常に厳しく、かつ適確な気がする-ナルシストな男性達-byスコッチゲーム-にはなかなか難しいはず(笑)
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
シリーズの隙間を埋める短編集,
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レビュー対象商品: 黒の貴婦人 (単行本)
著者の『タックシリーズ』に位置する連作短編集。これまで発表されたシリーズの短編・長編の隙間を埋めるエピソードがちりばめられている。『依存』において一気に進展した、登場人物たちの人間関係の変化が興味深いところであるが、その分独立したパズラーとしての魅力は少し損なわれてしまっているかもしれない。この短編集を純粋に楽しみたいなら、シリーズの既刊を読破することをお勧めする。その価値は十二分にあるシリーズですから。
5つ星のうち 4.0
《匠千暁》シリーズの第三短編集,
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レビュー対象商品: 黒の貴婦人 (単行本)
◆「スプリット・イメージ または避暑地の出来心」大学院生となったウサコに頼まれ、女子大生4人組の 旅行に、おさんどん役として同行することになったタック。 旅行二日目の朝、宿泊している別荘のそば にある雑木林で、男の変死体が発見される。 その上、別荘の壁には、何者かが、二階の窓から侵入 しようとしたのか、大きな脚立が立て掛けられていた。 その男と女子大生たちは顔見知りだったのだが……。 タックたちが大学を卒業したその後が描かれている中編。 今回の事件によって、ある主要キャラの 運命が、大きく変わることになります。 ◆「夜空の向こう側」 吹奏楽部顧問の補佐をしている数学教諭・関伽井の披露宴で、彼の 教え子が、集められた御祝儀袋から六十七万円を盗む事件が起きた。 その教え子たちは、すべての御祝儀袋を持ち出したにも関わらず、後に、 水引を外したものと元の状態のままのものとに分けて御祝儀袋を返して おり、六十七万円は、水引を外したものから抜き取っていた。 教え子たちの目的は、一体何なのか? 犯行を隠蔽する意図がまったく見られないことから、 教え子たちの目的がお金以外にあることは明白です。 ◆「招かれざる死者」 金持ちのドラ息子・有馬が自宅マンションで開いた パーティに、渋々義理で参加したタカチとウサコ。 デリカシーのない有馬の態度に苛立ちを募らせる 二人だったが、そこに突然、チャイムの音が鳴る。 有馬が玄関のドアを開けると、胸を刺さ れ、絶命した女子大生が倒れ込んできた。 殺人の容疑者として、有馬とトラブルが絶えなかった隣人が浮上 するが、その男はかねてから公安にマークされていたという……。 フーダニットよりも、《操り》が主眼。 パーティの参加者が、マンションの部屋に行く 際の経路を指定されていたのがポイントです。 ◆「黒の貴婦人」 タックたちが行き付けの居酒屋で飲みに行くと、必ずあらわれる女性客。 ボアン先輩は、その女性客を“白の貴婦人”と命名し、 彼女の正体について、いつものように議論を始める。 女性客が必ず限定メニューの鯖寿司を食べることに着目したタカチが、 ある仮説を提示するのだが、それを聞いたウサコは、タカチの決定的な 変化に気づく……。 江戸川乱歩が命名した、ある趣向が用いられていますが、ミステリと いうよりも、『依存』の裏エピソードといった側面のほうが強い本作。 とりあえず、まず『スコッチ・ゲーム』を 読んでから、本作を読むべきでしょうね。 ◆「ジャケットの地図」 亡くなった会社会長の、肉体関係を伴わない、特殊な愛人だった「わたし」。 会長の遺品を整理していた際、会長が生前、ジャケットの裏地と表地 のあいだに、「宝の地図」を縫いこんだ、と言っていたことを思い出す。 しかし、そこから地図は見つからなかった。 「わたし」はジャケットが入れ替えられたと考え……。 《匠千暁》シリーズの短編で、『謎亭論処』所収の某短編とリンクしています。 「宝の地図」探しが、故人の遺志を見出す道行き となるという展開は、お約束ですが、いいですね。
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