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黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)
 
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黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫) [文庫]

恩田 陸
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

記憶から消せない過去を誰もが持っている!同級生の男女四人による神聖な島への旅。思いは現在から離れ、過去の不思議な事件へと引き戻されていく。それぞれの回想は想像もつかない真相へと迫っていった!

内容(「BOOK」データベースより)

雨の音を聞きながら、静かな森の中を進んでいく大学時代の同窓生たち。元恋人も含む四人の関係は、何気ない会話にも微妙な陰翳をにじませる。一人芝居を披露したあと永遠に姿を消した憂理は既に死んでいた。全員を巻き込んだ一夜の真相とは?太古の杉に伝説の桜の木。巨樹の森で展開する渾身の最高長編。

登録情報

  • 文庫: 384ページ
  • 出版社: 講談社 (2006/4/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062753618
  • ISBN-13: 978-4062753616
  • 発売日: 2006/4/14
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
エンターテイメントでありながらも、人物描写が素晴らしい。
「自己」というものが、いかに多面的で不確かであるかについて描きつつ、
なぜ人が互いに惹かれ合い、嫌悪し合うのかといった関係性の妙、
人生の綾についても、男女4人の語りを通して鮮やかに浮かび上がらせる。
むろん、人生の実像は期待はずれや失望、いたずらの連続である。
それこそ、「小説」のように甘美なものではない。
しかし、この4人のひとたちの、なんと愛おしいことか。
太古の森の彩りに負けず劣らず、人間の泥臭さといったもののがいかに
慈しくひかりに満ちているか、この小説は教えてくれる。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By bluestar トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 恩田陸という人の作品は、なんとジャンル分けしづらいことか。ミステリもあればファンタジーもあり、オカルトっぽいものもある。では、この作品はどのジャンルに属するか、と考えると、どのジャンルもふさわしくない気がする。食事をしながら、森を歩きながら、交わす会話。時折、過去を思い出す。ふとわいた疑問を口にして、他のメンバーがそれに応える。そんな調子で時が過ぎていく物語。

 上下を通して読み終わって、まず思ったことは、これをもっと若い時に読んでいたら、全く違った感想を持っただろうなあということ。30代になってそれなりに社会での経験も積んで、結婚もして子どももいて、という状況だからこそ、この4人の境遇に自分を重ね合わせてみたりすることもできるのかもしれない。どんな人でも、その人を一言で表すことはできない。この4人もそうだが、人から見た自分と、うちからみた自分は違うし、周りがわかっている自分を必ずしも自分自身がわかっているとは限らない。

 「利枝子」「彰彦」「蒔生」「節子」の4部からなるこの小説は、4人がY島で過ごした数日間の物語だが、こんなふうに、普段は考える必要のないことでも、ある時期には正面からぶつかっていかないといけないこともあるのかもしれない。この4人にとっては、それがたまたまY島への旅行という形でやってきた、ということ。そしてそれをくぐり抜けた時、それぞれが手にするのはなんなのか。

 読み終わった時に、読んだ人の分だけ感想があるでしょう。ただ、おもしろいとか内容に関する感想だけじゃなくて、自分自身のこともふりかえったり、これからのことを考えてしまうかもしれません。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
こちらは、蒔生と節子の視点で語られる物語です。

蒔生のお当番で、物語全体を貫いていた梶原憂理の謎が解けます。
ただ、かなり最初のほうで、事情はだいたい察せられるかなあ、という気もしました。
ありきたりではあるのですが、ひとまず彼の話で物語全体の山場が終わるかな、という感じでした。

ラストは節子。
彼女の視点で、旅の一行はJ杉までたどり着き、終わりを迎えます。
彼女なりの語り口であらわされる自然の大きさと、蒔生を中心としたどろどろとした人間関係の中、唯一外側にいたかのように見えた彼女の事情とが、よくマッチしていました。
これまでの3章でそれほど内面があらわされていなかった分、節子のお当番はおもしろかったです。

旅が終わる切なさもよく出ていたし、いいお話だと思いました。
恩田陸さん、下手なミステリー書くより、こういうお話のほうが向いている気がします。
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