センセーショナルなタイトルは、売るための必須事項。したがって、各章のタイトルも記述の方向も、石原憎し、で徹底しているのは当然だ。学術書ではないのだから、こういう本を、その「主旨」が正しいか正しくないかで論じるのはお門違いというものだろう。
ぎっしりとした記述で論じられるのは、羽田空港D滑走路の工事、汚染地への築地市場の移転、新銀行東京の破綻、オリンピック招致など、いずれも賛否が渦巻くビッグプロジェクトであり、それにともなって知事周辺で大きな金が動いたのではないかとの疑惑である。小沢裁判ではないが、証言や状況証拠を綿密に集めていて、私の感想としては限りなく黒に近い灰色、という感じだ。それでも決定的な汚職として刑事事件にはできていない、ということだろう。
あとは、これを読む人の「政治判断」でしかない。そういう私も、かつては石原慎太郎のような総理大臣がいてもいいかもと思った時期があった。今となっては手法が悪いだけでなく、古いとも思う。
石原だけでなく、やり手といわれる政治家が、どういう役割を果たして日本を「開発」してきたのかを知る意味でも、一読の価値はあると思う。